ライフ

体を舐める、目をこする……猫の仕草に隠された病気のサイン

食欲がないのはストレスや感染症、腎臓病などの可能性も(イラスト/chizuru)

 今やペットは家族の一員。大事に育てられ、猫は15.3才と長寿、高齢化が進んでいる。年をとるごとに体調を崩しやすくなるのは人間と同じ。そんな猫の異変に気づいた時、どうすればいいのか? 「よくある症状」別で猫の不調の可能性を解説する。

■体をよくなめる

 毛が抜けるほど体をなめるのは病気のサイン。「まず考えられるのは皮膚病です。皮膚糸状菌というカビに感染し、かさぶたができたり、毛が抜けることも。また、猫にもアレルギー性皮膚炎が増えています」(服部さん)。猫は痛みがある部位をなめる傾向があるとも言う。「お腹をよくなめている時は膀胱炎、足の関節部分をなめている時は関節炎などが疑われます。どこをよくなめているのか注意し、獣医に伝えてください」(東京猫医療センター・服部幸さん)

・考えられる主な病気:ノミやマダニなどの感染症、アレルギー性皮膚炎、ストレス、膀胱炎

■吐く

 週に2回以上吐く場合は注意が必要。「猫が口から食べ物を出す行動には3つあります。胃に到達した食べ物を吐き出す“おう吐”、胃に行く前に吐き出す“吐出”、あとは嚥下障害です。猫が吐く原因は幅広く、さまざまな病気が考えられます。前後の食欲や状態などをメモしてから来院してください」(服部さん)

・考えられる主な病気:食物アレルギー、胃炎、消化器型リンパ腫、甲状腺機能亢進症

■頭を激しく振る

 猫は耳の中にかゆみなどの違和感を覚えると、頭を激しく振るケースが多い。「ミミヒゼンダニという、猫の耳に寄生するダニに感染すると、非常に強いかゆみに襲われます。真っ黒な耳あかが出るのも特徴。獣医は薬で駆除します。猫の頭の動きには常に注意を。耳の内耳と呼ばれる部分の障害や、神経や脳の病気なども考えられるからです」(服部さん)

考えられる主な病気:外耳炎、中耳炎、内耳の腫瘍

■目をこする

 目を頻繁にこすっていたら、目の病気が悪化している可能性がある。「猫の角膜(目の表面を覆う透明な膜)は感覚が鈍く、目の中に異物が入ってもあまり気になりません。ですから、目をこする場合は何らかの炎症が起こっていることが多いです。特に注意したいのは、結膜炎やアレルギーなど。上顎に腫瘍があるケースもあります」(服部さん)

・考えられる主な病気:細菌性結膜炎、ブドウ膜炎、アレルギー

■おしっこが出にくい・出ない

 猫の病気は尿に現れやすい。「トイレにいるのに尿が出ない時は膀胱炎や尿結石になっている可能性があります。丸1日以上の長時間にわたり尿が出ない時は、尿道に結石や細胞の塊などが詰まってしまう尿道閉塞になっており、命にかかわることも」(Tokyo Cat Specialists院長・山本宗伸さん)。病気が慢性化した場合、食事を変えるなどの対策がとりやすいよう、排泄の状態は毎日チェックを。できればメモをつけておくのが理想的。

・考えられる主な病気:膀胱炎、尿結石、椎間板ヘルニア

※女性セブン2018年8月16日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン