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コラム

2018.08.05 06:00  マネーポストWEB

【ドル円週間見通し】直近高値でトランプ・シーリングを意識

直近高値に近づくと上げ渋る展開も


 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が8月6日~8月10日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円はもみ合いか。7月31日-8月1日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)から、年4回の利上げへの期待が高まり、日米金利差の拡大を意識したドル買いは継続する見通し。ただ、トランプ大統領の「口先介入」があった水準に接近しつつあり、ドル・円の上昇ペースはやや緩慢になりそうだ。

 FOMC後の声明では経済の力強さが強調され、米連邦準備制度理事会(FRB)は9月と12月に引き締めを実施するとの見方が広がっている。目先の雇用統計やインフレ関連指標などでFRBの見解の妥当性が証明された場合、ドルは主要通貨に対して上昇する展開となろう。反面、トランプ大統領は7月19日、足元のドル高について「望ましくない」、「強いドルは米国を不利な立場に置く」などと発言し、ドル・円は今年最高値(113円39銭)が射程圏内に入ったものの、113円17銭から大きく押し下げられる展開となった。

 利上げ継続への期待でドル・円はひとまず112円台を目指すとみられるが、直近高値(7月19日の113円19銭)に接近する過程では口先介入(トランプ・シーリング)が意識され、上げ渋る可能性がある。また、トランプ政権は対中制裁の強化を一段と強め制裁関税を発動する可能性があることから、米中の通商摩擦への警戒がドル買い基調を弱める要因となろう。

 一方、日銀は大規模な金融緩和策を今後も継続するため、足元の緩和的な金融政策による副作用に配慮した修正を加えた。その効果はしばらく持続するとみられており、ドルを含めた主要通貨の対円レートは下げ渋る展開が予想される。

【米・7月生産者物価指数(PPI)】(9日発表予定)
 9日発表の7月生産者物価指数(PPI)は前年比+3.4%、コア指数は同比+2.8%が市場コンセンサス。物価上昇率は6月実績と同水準になると予想される。市場予想とおおむね一致すれば、ドル売り材料になりにくいだろう。

【米・7月消費者物価指数(CPI)】(10日発表予定)
 10日発表の7月消費者物価指数(CPI)は前年比+3.0%、コア指数は同比+2.3%と予想されている。インフレ鈍化の兆しはみられないことから、市場予想と一致した場合、金利先高観が強まり、ドル買い材料となりそうだ。

・8月6日-10日週に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。

○(日)6月経常収支 8日(水)午前8時50分発表予定
・予想は、+1兆2189億円
 参考となる5月実績は+1兆9383億円。貿易収支は-3038億円だったが、第1次所得収支は+2兆3980億円の大幅な黒字を計上した。6月については、貿易収支は黒字転換すると予想されるが、第一次所得収支の黒字額は大幅に減少するとみられており、全体の黒字額は縮小する見込み。

○(日)4-6月期国内総生産一次速報値 10日(金)午前8時50分発表予定
・予想は、前期比年率+1.4%
 1-3月期は天候不順などの影響で個人消費はさえない状況だったが、4-6月期はある程度持ち直したようだ。設備投資はまずまず順調だった。在庫調整やサービス輸出減少の影響などを考慮しても1%台の成長となる可能性が高いとみられる。

○(英)4-6月期国内総生産速報値 10日(金)午後5時30分発表予定
・予想は、前年比+1.3%
 参考となる1-3月期実績は+1.2%。建設、サービス部門の低迷などで成長率は鈍化した。4-6月期については、製造業はまずまず順調、サービス部門は1-3月期における落ち込みの反動増が予想されており、全体の成長率は、1-3月期の実績をやや上回る可能性がある。

○(米)7月消費者物価コア指数 10日(金)午後9時30分発表予定
・予想は、前年比+2.3%
 参考となる6月実績は前年比+2.3%。7月については、エネルギー価格上昇が他分野に及ぼす影響が多少残されているが、関税措置による阻害要因を勘案するとインフレ率は6月実績と同水準になるとみられる。また、人員不足や需要増による価格転嫁の動きも出ているものとみられる。

○主な経済指標の発表予定は、7日(火):(米)6月JOLT求人、9日(木):(日)6月機械受注、(米)7月生産者物価指数、(欧)ECB経済月報リリース、10日(金):(日)7月国内企業物価指数、(米)7月財政収支

【予想レンジ】
・110円00銭-113円00銭

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