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2018.08.10 12:00  たまGoo!

勉強しなくなる?学校に「置き勉」をしてはいけない理

勉強しなくなる?学校に「置き勉」をしてはいけない理


 
小学生のランドセルがとんでもない重さになっている原因に、「置き勉禁止」があります。これは、「学校に勉強道具を置いて帰ってはいけない」というルールのことです。昔からあるルールですが、最近このルールに疑問を持つ人が増えています。「置き勉」をめぐる議論に注目してみました。

小中高生の「置き勉」事情

「置き勉」とは、学習に使う教科書や副読本、ノートなどを学校に置いて帰ることを言います。「置き勉強道具」の略なのでしょうか、1970年代ごろから若い人たちが使っていた言葉です。現在、多くの学校で「置き勉」は禁止です。小中高と、どの年代でも禁止されていて、子どもたちは大きなバッグやランドセルにいっぱいの教科書類を入れ、毎日通学しています。

保護者の疑問からTwitterで話題に

この「置き勉」禁止というルールの設置は、学校教育法で決まっているわけでもなく、各地の教育委員会が指導しているわけでもなく、各校の判断に任されています。教育現場でよく問題になる「慣習だから」という理由で多くの学校が禁止にしているようですが、最近、Twitterでも話題になりました。

発端は、ある保護者が子どものランドセルをはかってみて驚いたというつぶやきです。小学生のランドセルの重さはメディアで取り上げられていたこともあり、多くの保護者、教育関係者、当事者である高校生など、さまざまな人がTwitterで問題について発言しました。発端になった保護者は、学校と相談し、子どもの負担をなるべく軽減する措置をとってもらうことになったそうです。

子どもの成長を阻害する「置き勉」禁止令

小学生のランドセルの重さをはかったある調査では、平均7キロという結果が出ています。毎日この重さを背負って登下校することを考えると、大人でもうんざりしてしまいますね。まだ筋肉が十分に発達していない子どもにとっては重労働です。しかも、成長期の身体にこのような負荷がかかり続けることは問題があるという海外研究者の指摘もあります。NHKの番組でも、腰痛や肩こりに悩む小学生の姿が取り上げられました。

「置き勉」禁止の理由

学校で「置き勉」が禁止されている理由は、主にふたつあるようです。しかし、どちらの理由も論理的に考えれば、不思議な感じがします。「置き勉」を禁止しなくても、それぞれ解決策はほかにも考えられそうです。学校が説明する、「置き勉」禁止の理由を精査してみましょう。

家で勉強しなくなる

「置き勉」禁止の一番の理由が、「家で勉強しなくなる」こと。確かに、学習用の教材をすべて学校に置いていってしまえば、家で予習・復習・宿題をすることができません。しかし、「持って帰ってもやらない子はやらない」という意見や、「家に帰ったら塾の勉強がある」という声もきかれます。必要なのは、子どものやる気を引き出す家庭学習の指導と、自分の学習計画にそったテキストを選んで持って帰ることができる選択権ではないでしょうか。今後、パソコンを利用したWEBラーニング(eラーニング)が発展していけば、勉強道具を持ち帰ることは、必ずしも必要ではなくなる可能性もあります。

教室内が散らかり学習環境が乱れる

「置き勉」の場所は、机の引き出しや学校のロッカーです。40人近くが詰め込まれている教室にはスペースのゆとりがなく、個人が自由に使える場所は限られています。そこへ教科書、副教材、辞書、プリント類などが雑多に置かれていると、雑然としますね。整理整頓が苦手な子が多ければ、たちまち教室内は散らかってしまいます。こうしたことも、学校側が説明する理由になっています。

しかし、逆に考えれば、子どもに生活指導を行うチャンスでもあります。ただ、学校はしつけの場所ではない、という考え方もあり、一概には言えません。1クラス20人程度の少人数学級が実現し、きめ細やかな学習・生活指導が受けられる教育環境になれば、教室も広々、先生も余裕のある指導ができるかもしれません。現段階では、「プリントは持ち帰る」「週に一度ロッカー整理の時間を作る」といった、各教室に応じた対策でなんとかできそうです。

「置き勉」禁止が見直されている

各メディアで、子どものランドセルの重さが話題になり、「置き勉」禁止についての議論がTwitterでかわされたことで、「置き勉」禁止令が見直されています。子どもたちの健康被害や登下校中の事故を心配した保護者が、声を上げるようになったのです。当事者である中高生が声を上げたケースもあるそうです。

保護者も教員も理由に懐疑的

そもそも、先にあげた学校側の理由には、保護者として全面的に賛同する人は少ないようです。勉強する姿勢や環境は大切ですが、子どもの身体の安全には代えられません。登下校中に重い荷物を持っていることは、大きなリスクになります。交通事故を避ける、不審者から素早く逃げるには、身軽な方がよいのです。教員の中にも、ルールに懐疑的な人はいます。子どもにとって何が大切か、大人が真剣に考える必要があります。

当事者間の取り組みによる教育効果

広島のある中学校では、生徒たちが通学時の荷物の重さを訴える動画を製作し、NHKの放送コンテストに応募しました。この動画がきっかけとなり、学校と生徒による問題解決への取り組みが行われることになったのです。学校側は、持ち帰り必須の教材を指定し、ほかは生徒の自主性に任せるという選択をしました。生徒は、置き勉されたロッカーを風紀委員がチェックし、自主管理を行っています。このような取り組みは、生徒の家庭学習のモチベーションアップや、自主性を伸ばすという教育的な効果が得られています。

おわりに

ゆとり教育が廃止され、学習内容も増えたことから、教科書の重量も増しています。ランドセルの重さは、子どもの健康を害する危険があり、原因である「置き勉」禁止について早い改善が望まれます。各家庭で個別に対応しているケースもありますが、できればPTAで話題にして、保護者と学校が一緒に考えられるといいですね。

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