昨年はマイルまでの距離で圧倒的な強さを見せたロードカナロアの初年度産駒がデビュー。牝馬アーモンドアイはマイルの桜花賞どころか、2400mのオークスも圧勝し、種牡馬として無限の可能性を示し、種付け料はハーツクライと同額の800万円に跳ね上がった。三冠馬オルフェーヴルの産駒も、まずまず期待に応えたといっていい。

 今年はまだ世代最初の重賞が終わったばかりだが、すでに8頭が勝ち上がっているロードカナロア産駒が好スタート。その他ではヴィクトワールピサとあいかわらずサンデーサイレンスの子や孫が堅実。新種牡馬では世界ランク1位になったジャスタウェイの産駒が4勝を挙げ、早くも成功しそうな予感だし、ダノンバラードやレッドスパーダの子も勝った(いずれも7月29日終了時点)。もちろんディープインパクト産駒も貫禄を見せている。

 長年競馬に親しんだファンでも、この時期はまだ手探り状態。かつて有力2歳馬は、10月の東京・京都開催あたりに満を持してデビューしたものだが、近年では早まる傾向にある。桜花賞とオークスの2冠に輝いたアーモンドアイのデビューも8月6日の新潟だったし、ダービー馬ワグネリアンにいたっては7月16日に新馬勝ちしている。来年のダービーやオークスに出走する馬のデビュー戦、見ておきたいじゃないか。

●文/東田和美(ひがしだ・かずみ)今年還暦。伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター

※週刊ポスト2018年8月17・24日号

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