約5万8000店──日本全国にある薬局数だ。近年は「大手薬局チェーン」や「ドラッグストア併設の薬局」も増えている。
利便性が高く、品ぞろえも豊富で、『薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100』の著者で薬剤師の児島悠史氏によれば、「大手薬局チェーンの場合、研修制度が充実していて薬剤師の質の向上が望める」という利点も指摘されるが、注意したい点もある。
大規模な店舗ほど、陳列する商品は店長や営業担当者の戦略によって変わる。
「最近は売り上げを補うために水素水などの特定の健康食品の陳列を増やすドラッグストアが目立ちます。何の脈絡もなく流行の健康食品ばかり並べる店は、“儲け優先”になりがちで“患者目線”を欠くケースが見受けられる」(児島氏)
大手の出店ラッシュで、薬剤師の不足も続いている。「免許は取得しているものの、勤務経験のほとんどない人や、実務から長く離れた薬剤師を雇うケースもある」(ある薬剤師)との指摘もある。
求人情報に、〈実務未経験可〉〈ブランクがある方も歓迎〉などの記載があれば、“薬剤師1年生”や“ペーパー薬剤師”を雇っている可能性があるのだ。
もちろん最初は誰もが未経験とはいえ、「常にそうした人を求めているとすればベテラン薬剤師が定着しない薬局の可能性もある」(同前)という。
“患者ファースト”の薬局を見極めたい。
※週刊ポスト2018年8月17・24日号