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福井発の焼鳥チェーン『秋吉』、客を“社長”と呼ぶ謎を直撃

高温の炎で焼き上げる

「社長!」「お嬢ちゃん!」──入店すると男性客は誰もが社長、女性客はお嬢ちゃんと呼ばれる『やきとりの名門秋吉』。発祥の地・福井では、“福井県民のソウルフード”と言われるほど老若男女に愛されている。

 立ち上る炎、舞い上がる火の粉。炭火の中で焼き上げられていく肉を眺めていると、食欲が掻き立てられる。人間が古来、火の周りに集まる習性を持つことから、店内は基本的に火を囲む造りにしているという。揺れ動く火を見ていると高揚感を覚え、どんどん串を焼いてほしくなる。

 客たちの注文も豪快だ。「純けい20!」「ねぎま10!」。10本、20本単位でオーダーするのが福井では一般的。

 肉の旨みに加え、秘伝のタレやからしも美味しく、1人で何十本も食べられる。3人で600本食べた記録もあるそうだ。持ち帰り用も50本、100本単位で紙袋へ。福井では食卓に上るお惣菜、お盆や運動会などハレの日のご馳走としても定着しているという。

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