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コラム

2018.08.26 06:00  マネーポストWEB

【ドル円週間見通し】米国経済の下振れ意識、ドル上げ渋りか

米中貿易摩擦に伴うアメリカ経済の下振れリスクを意識


 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が8月27日~8月31日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円は上げ渋りか。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ継続方針を背景にリスク選好的なドル買いは続くとみられるが、米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で指摘されたように、米中貿易摩擦によるアメリカ経済の下振れが意識されそうだ。

 ただ、トランプ大統領の利上げけん制やロシア疑惑再燃でドル売りに振れても、ほどなく値を戻すためドルの下値の堅さが意識されているようだ。背景にあるのは9月と12月の利上げ観測で、29日発表の4-6月国内総生産(GDP)改定値など経済指標が市場予想と一致した場合はドル買い材料となるだろう。

 22日公表されたFOMC議事要旨(7月31日-8月1日開催分)で、FRBのタカ派寄りの姿勢が改めて示されたが、貿易摩擦の国内経済への影響もテーマとなり、今後の下振れリスクが共有された。このため、今後の利上げシナリオへの関連で、従来の買いは入りにくくなる可能性もあろう。

 トランプ政権は知的財産権の侵害を理由に対中制裁に踏み切り、第2弾として中国製品160億ドル規模の追加制裁を23日に発動。中国も同規模の報復関税の導入を決定しており、米中貿易協議に進展がみられず、両国の対立が続いた場合、リスク回避的な円買い圧力は強まることが予想される。一方、トルコリラは8月上旬の急落後、比較的安定的に回復しており、新興国通貨安を意識したリスク回避的な円買いは縮小したもよう。ただし、トルコと米国の対立は続いており、トランプ政権の追加制裁などがあれば、リスク回避の円買いが広がるリスクもあり、警戒を要する状態がしばらく続くだろう。

【米・4-6月期国内総生産(GDP)速報値】(29日発表予定)
 29日発表の4-6月期国内総生産(GDP)改定値は、前期比年率+4.0%と速報値の+4.1%から小幅な下方修正が予想される。ただ、4%成長は維持されるとみられており、市場予想と一致すれば、ドル売りには結びつかないだろう。

【米・7月コアPCE】(30日発表予定)
 30日発表の米7月コアPCEは、連邦準備制度理事会(FRB)の目標でもある前年比+2.0%と予想されている。6月実績を上回り、2012年4月以来の伸びとなることから、利上げ継続への期待は高まり、ドル買い材料になりそうだ。

・8月27日-31日週に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。

○(米)8月CB消費者信頼感指数 28日(火)午後11時発表予定
・予想は、126.5
 参考となる7月実績は127.4に低下したが、市場予想を上回った。現況指数は165.9で17年ぶり高水準。向こう6カ月の期待指数は101.7と、前月の104から低下。また、先行指標的な8月ミシガン大学消費者信頼感指数は7月実績の97.9から95.3に低下。8月の消費者信頼感指数については顕著な悪化は予測されていないが、米中貿易摩擦や不安定な株式市場が懸念材料となり、7月実績をやや下回る可能性が高いとみられる。

○(米)4-6月期国内総生産改定値 29日(水)午後9時30分発表予定
・予想は、前期比年率+4.0%
 速報値は前期比年率+4.1%で、1-3月期の+2.2%を大幅に上回った。個人消費は前期比年率+4.0%の高い伸びを記録。減税効果による可処分所得の拡大が要因。ただし、民間設備投資は1-3月期の実績を下回った。改定値では個人消費は速報値と同程度と予想されるが、純輸出の伸びは上方修正される可能性がある。このため、全体の成長率は速報値と同水準か、わずかに上回る可能性がある。

○(米)7月コアPCE 30日(木)午後9時30分発表予定
・予想は、前年比+2.0%
  参考となる6月実績は前年同月比+1.9%。上昇トレンドを保っている。外食、宿泊の伸びがやや目立ったが、モノへの支出は横ばいだった。7月については、モノへの支出が増える可能性があることから、上昇率は6月実績を上回り、2%に到達する可能性がある。

○(欧)8月ユーロ圏消費者物価指数 31日(金)午後6時発表予定
・予想は、前年比+2.0%
 参考となる7月改定値は、前年比+2.1%で6月実績の同比+2.0%を上回った。エネルギー価格の上昇が寄与した。8月についてはエネルギー価格の上昇がやや一服していることから、物価上昇率は7月改定値をやや下回る可能性がある。コスト増加による価格転嫁の動きは広がっていないため、ユーロ圏のインフレ率は当面2%近辺で推移すると予想される。

○主な経済指標の発表予定は、28日(火):(米)6月ケース・シラー住宅価格指数、31日(金):(日)7月失業率・有効求人倍率、(日)7月鉱工業生産、(米)8月シカゴ購買部協会景気指数、(欧)7月ユーロ圏失業率、

【予想レンジ】
・110円00銭-113円00銭

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