• TOP
  • 国際情報
  • 済州島にイエメン難民続々、反対派韓国人「ニセ難民」と批判

国際情報

2018.09.04 07:00  SAPIO

済州島にイエメン難民続々、反対派韓国人「ニセ難民」と批判

 キム氏の話を聞いていると、反対派とは難民観が根本的に違うことが分かる。例えば反対派のイ氏は、職を斡旋された難民申請者の多くがきつくて辞めてしまっている事実について「本当の難民ならどんな仕事でもやるはずです」と言っていたものだ。しかしキム氏は、一人一人の職歴や適性を考えず、単純作業や肉体労働のみを許可する就労制限の方を問題視する。

「反対派の人は、『難民に仕事が奪われる』とも言っていますが」と水を向けると、「話になりませんね」──ひと言で切って捨てる。

「韓国人が言っているのですか? たとえば、フィリピン人が言うなら理解できますが。現在、済州島には2万人の外国人がいます。彼らは韓国人がやらない仕事をやっているのですよ」

 その後、漁業に従事する難民を取材しにハンリムという港町にまで足を伸ばした際、キム氏の言葉の意味を実感した。漁船で働く人のほとんどが、インドネシアなどの東南アジアから来た労働者なのだ。そこに新たに数名のイエメン難民が入っただけで、この現実を見てなお「難民に職を奪われる」などという危機感を持てるとしたら、それは単なる被害妄想だろう。

 我が国でも、業種によってはこんな光景はすでに珍しいものでもなくなっている。今後、生産年齢層の減少を移民で補うとすればますます増えるに違いない。

◆四・三事件の記憶

 もう少し、迎える側の気持ちを探ってみよう。済州市の市庁舎から徒歩10分ほどの距離にある観光ホテルのキム・ウジュン社長は、熱心な難民支援者の一人だ。部屋を安価で提供し、自炊用に地下の食堂を開放したこのホテルには多くのイエメン人が集まっている。キム社長は「困った時はお互い様」を地で行く男だ。

関連記事

トピックス