まず、プラグインハイブリッドのベストセラーといえば、日本ではトヨタの「プリウスPHV」でしょうか。ところが、これが比べものになりません。パワー感、静粛性、上級感まですべて「クラリティPHEV」が上。EV航続距離も「クラリティPHV」は電池を17kWhも積んで114.6kmもありますから、68.2kmの「プリウスPHV」では勝負になりません。
でも、それは当然のことでしょう。なぜなら、「クラリティPHEV」と「プリウスPHV」は車格が違いすぎるのです。
実のところ「クラリティPHEV」はDセグメントのミドルセダン。価格も588万円もします。対する「プリウスPHV」は、ひとつ下のCセグメントで価格も300~400万円台。まったくクラスが異なります。
メーカーラインナップのヒエラルキーでいえば、「クラリティPHEV」は「アコード」よりも上で、フラッグシップの「レジェンド」の下という位置。トヨタでいえば、「プリウス」どころか、「カムリ」よりも上で、価格的には「クラウン」と同格になってしまいます。
ちなみに「プリウス」のライバルといえば、北米で発売されたばかりの新型「インサイト」でしょう。ただし新型「インサイト」は少し車格がアップしており、よりスポーティな雰囲気になっています。
では、「クラウン」と「クラリティPHEV」を比べるとどうか。「クラウン」は高級なセダンですが、最新モデルは“スポーティ”な走りを前面に押し出してきました。また、ハイブリッドはありますが、EV走行をたくさんできるわけではありません。ほとんどEVのように走り、しかも落ち着いた上質セダンという「クラリティPHEV」とは、キャラクターが異なりすぎ。ライバルとは言いづらいでしょう。