ライフ

【著者に訊け】堀越英美氏 『不道徳お母さん講座』

堀越英美・著『不道徳お母さん講座』

【著者に訊け】堀越英美氏/『不道徳お母さん講座 私たちはなぜ母性と自己犠牲に感動するのか』/河出書房新社/1550円+税

 今春、ついに小学校で正式な教科となった道徳の授業。「国の基準で道徳に成績をつけるなんて!」とお怒りの方もあろうが、『不道徳お母さん講座』の著者・堀越英美氏にとってそれは、日本人の道徳と歩みについて考える入口に過ぎなかったという。

「私には娘がいるのですが、学校でも『みんなで頑張って絆を深めよう』みたいな同調圧力があり、何か事情があって頑張れない少数派の意見はないことにされてしまうんですよね。一体何がそうさせるのか、私自身も含めた心の原点を探るには、明治以来の教育史を一通り遡る必要がありました。教科化を悪者にしても何も変わらないので」

 本書では日本人の道徳観がどんな意図や教材の下に作られてきたかを具体的な根拠をもって検証。すると〈敵は大きすぎて、丸腰で立ち向かってはゆるふわ感動モードに流されかねない〉とあるように、最大のクセ者は〈感動〉だった!?

 奇しくも取材日は大阪桐蔭VS金足農による高校野球決勝当日。『キャプテン』世代の著者も、『ドカベン』世代の筆者も、正直、気が気でない。

「いかにも昭和の子供ですよね(笑い)。私は昭和48年生まれのガンダム世代でもあって、みんなで力を合わせて戦ったりする物語に感動もしてきたし、それ自体は悪いことではないはず。ただ最近はその感動を徒に押し付け、少数派を退ける傾向が強くなっている気がして、『感動をありがとう』と言うことが絶対善かのようになったのはなぜなのか、私も知りたかったんです」

関連記事

トピックス

二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン