ライフ

遺言書に書いても無効 ペットに確実に財産遺す3つの方法

ペットに確実に財産を遺せる方法は?(写真/Getty Images)

 近年、日本でもペットに遺産を相続させたいと考える人が増えているという。とはいえ、「猫に小判」とはよくいったもので、猫にはその価値もわからないし、使うこともできない。法律上“モノ”であるペットに、確実に財産を遺す方法はあるのか? 専門家に教えてもらった。

 今年1月、イタリアに住む猫・ジェリーくんが、飼い主の遺産3万ユーロ(約406万円)を相続したと、イタリアの新聞『ラ・スタンパ』が報じた。

 このように、欧米ではペットに自分の財産を相続させることが可能だ。しかし、日本では、ペットに財産を相続させることはできない。

「日本では、法律上ペット(動物)はモノ扱い。そのため、遺産を相続する権利の主体にはなれないのです」

 と、ペットに関するトラブルに詳しい弁護士・杉村亜紀子さんは話す(「」内、以下同)。たとえ遺言書に、『ペットの猫に財産を相続させる』と書いてあっても、法律上そのような記載は無効になるという。

 だからといって諦めることはない。直接ペットに財産は遺せないが、別の方法がある。

「ペットの世話をしてくれることを条件に、世話をしてくれる人に財産を遺すという考え方です。それには、

【1】負担付遺贈
【2】負担付死因贈与
【3】ペットのための信託

という、3つの方法があります」

◆愛猫に財産を遺す方法は主に3つ

【1】の「負担付遺贈」とは、財産を渡す代わりに、猫の面倒を見てもらうことを遺言書に遺す方法。ただし、受け取る側が拒否できるので、遺言書を作成する前に、相手の了解を得ておいた方が安心だ。

「あくまで信頼関係の上で成立するものなので、金銭だけ受け取り、面倒を見てくれないということも。遺言書の内容をきちんと実行しているか確認する遺言執行者も指定した方がよいでしょう」

【2】の「負担付死因贈与」は、贈与者(飼い主)の死亡によって効力が生じる贈与契約のこと。負担付遺贈と違い、“契約”なので、生前にペットの世話をしてくれる人と、世話の内容について細かく決められる。

「贈与を受ける人の了解を得ているので、負担付遺贈よりも、面倒を見てもらえる可能性が高い方法です」

関連キーワード

関連記事

トピックス

岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン