加計学園からの「200万円闇献金」疑惑が報じられた安倍側近の下村博文・元文科相も負けてはいない。総裁選でも「安倍総裁三選を応援する有志の会」代表として首相の秋葉原街頭演説への動員を要請する文書を各業界団体に送るなど、甘利氏と競い合った。
「総理の人事構想ではTPP交渉で手腕を見せた甘利氏を経済産業相に起用して米国との通商交渉を担当させ、最も信頼する下村氏も再入閣か総務会長など党三役で復権させたい」(同前)
もう1人、入閣情報が盛んに流れているのが小渕優子・元経産相だ。彼女も政治資金スキャンダルで大臣を辞任。東京地検特捜部の捜査前に事務所がハードディスクにドリルで穴を空けて証拠隠滅をはかっていたことが明るみに出て、「ドリル優子」の不名誉なアダ名がついた。
「総理は小渕入閣にご執心。竹下派のプリンセスを少子化相あたりで囲い込み、竹下派が敵に回らないようにするつもりではないか」と細田派議員は見ている。
まさに“三選恩赦内閣”である。
いまやポスト安倍の有力候補に浮上した河野太郎・外相の去就も注目される。外務省の外遊予算が底をつくほど積極的に各国を回り、その発信力から国際的知名度も急上昇中だが、交代の可能性が高いという。外務省中枢筋はこう語る。
「“外交の安倍”を自任する総理は自分より目立つ外相はいらない。内閣改造では、河野さんに代えて何をしても目立たなかった岸田文雄氏が再び外相に起用される可能性があると見て準備している」
出る杭は打たれるということらしい。