人は生きて死ぬ。パソコンやスマートフォンに残されたデータ「デジタル遺品」も絶えず発生し続ける。処理を依頼した人物の背景はバラエテイに富んでいる。それぞれさまざまな事情がある。さらに、依頼人の家庭や関連する人間関係を紐解いていくと、そこにまた秘密があり、別の物語が見えてきて……無限に続きそうなくらい『dele』はシリーズ化にピタリのドラマ。
しかも最終回には、デジタル遺品を「処理・抹消」するという仕事だけではなく、「希望の人に受け渡す」「大切に保存する」という新たな方向性も示唆されました。
考えてみれば、死後に「何を消したいのか」というテーマと同じくらい、「何を残したいのか」というテーマは人にとって大きい。非常に興味深い終わり方をしたこのドラマ、暗黙のうちに「続編の可能性」をアピールしていたのかもしれません。
あるいは、来年1月期に続編の放送が決定したのが『家売るオンナ』(日本テレビ系)のシーズン2『家売るオンナの逆襲』です。
主人公は北川景子演じる不動産販売ウーマン・三軒家万智。2016年7月クールに放送され人気を博したドラマですが、この物語の構造もシリーズ化にピタリ。販売する「家」という商品には必ず、住む人のドラマがある。しかも家を「買う側」だけではなく、「売る側」にもドラマがある。様々な不動産を扱い取り巻く事情を描くことによって、多彩な人間ドラマが浮き彫りになる、というわけです。
一方、それとは対照的にたとえ人気作品ではあっても、「続編に向いているかどうか」と問われるとよくわからないのが『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)。
たしかにツイッターの世界トレンド1位になるなど社会現象を巻き起こし、終了した後もDVDやオフィシャルブック、関連グッズの売れ行きはすさまじく、続きを望みたい局の気持ちも分からなくはない……。テレ朝経営陣はずいぶんと乗り気だそうで「続編への期待も多くいただいているので期待に応えたい」と前向きなコメントも報じられているのですが。ドラマの構造としてはどうでしょうか?
『おっさんずラブ』が、ピュアで繊細な人間関係に支えられたおっさん同士の純愛物語だとすると、春たん(田中圭)の恋愛が新たに続く? というのもどこか無理矢理感が漂う。続編は未知数、その行く末をしっかと見届けたいと思います。