ライフ

マイカー利用の避難生活 「つらい」を「快適」にする準備品

熊本地震(2016年)の際にも多くの車中泊避難者が(写真:時事)

 今年は大型台風や巨大地震など、日本列島が多くの災害に見舞われている。避難生活を余儀なくされた場合、マイカーによる車中泊は「つらい」「危険」といったネガティブな報道も多く流れるが、モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏は、「むしろ車中泊のほうが快適」と指摘する。

 * * *
 日本は昔から災害の多い国ですが、特に最近は毎年のように、何かしらかの災害に見舞われています。地震、台風、大雨などで、自宅から避難所へ向かわなくてはならない人は、本当に苦労が多く大変なことでしょう。

 そんなとき、必ず一定数の人が避難所ではなく、車中泊を選びます。「避難所がいっぱいで入れない」「ペットと一緒に避難できない」「プライバシーが保てないのはつらい」など、さまざまな理由があります。

 そうしたときに必ずと言っていいほど、「車中泊はつらい」「車中泊はエコノミー症候群が危険」といった趣旨、もしくはそうした印象を強く残す報道が行われます。こうした報道に接すれば「車中泊はしないほうがいい」と考える人が多くなるのではないでしょうか。

 確かに、車中泊は自宅のベッドと比べると快適なものではありません。また、座席に座ったままの姿勢で寝ていてはエコノミー症候群になる可能性もあります。しかし、よく報道の内容を吟味してみると、「自宅じゃないからつらい」「避難生活が長引くのがつらい」という側面も含まれており、その場合は車中泊に限らず、避難所での生活でも同じでしょう。

 つまり、“避難生活”と“車中泊”という2つのつらさが混ざって報道されているのです。ところが車中泊にはノウハウがあります。オートキャンプという趣味が存在するほど。上手にやれば快適な車中泊を手に入れることもできます。

 もちろん、何も考えず、何も用意せずに行えば、不便でつらいものになりえます。ですから、必要なのは、「車中泊はつらい」ではなく、「こうすれば車中泊は快適になる」という情報でしょう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン