産後は抜け毛だけじゃない!頭皮のかゆみはどうしたらいい?
赤ちゃんが生まれた途端、髪の毛のボリュームが一気に減少することで驚く女性は多いですが、それと同じくらい頭皮のかゆみに悩まされるお母さんたちはたくさんいます。「産前は何ともなかったのに・・・」と産後の変化に戸惑っている人に向けて、産後の頭皮のかゆみは、どうして起こるかについて解説します。頭皮のかゆみが起きた時の改善方法などについても合わせてご紹介していきましょう。
産後の頭皮のかゆみはどうして起こる?
人生の大きなイベントである出産を終え、ほっと一息ついたころにやってくるのが、頭皮のかゆみです。大きなおなかがすっきりしたと思ったら、今度は頭皮にチクチク、むずむずとしたようなかゆみが襲い、慣れない赤ちゃんのお世話でたまったストレスと合わせて不快感が増し、楽しいはずの日常がつらいものとなってしまいます。産後の頭皮のかゆみが起こる主な原因は、産前と産後で大きく変わるホルモンバランスや免疫力が低下することによるものです。早速、次で詳しく見ていきましょう。
ホルモンのアンバランスがかゆみを生む
妊娠中は、赤ちゃんの発育をサポートして妊娠を継続するために、プロゲステロンやエストロゲンなどの女性ホルモンの分泌量が多くなります。妊娠中の女性ホルモンは、妊娠していない時に比べて数百倍にまで増えると言われますが、出産した途端一気に減少します。心と体の調子は、女性ホルモンに大きく左右されるため、急にホルモンのバランスが変化することで肌や髪の毛のコンディションが悪くなり、さまざまな不快な症状を引き起こします。頭皮が乾燥しやすくなったり、逆に皮脂の分泌が活発になったりするなど、頭皮の調子が乱れがちになることがかゆみの原因になります。
汗をかきやすくなるからかゆい
出産後、女性ホルモンが急激に減少することに加え、男性ホルモンが優位になることで汗をかきやすくなります。汗を出す汗腺には、脂肪酸などが混ざり粘り気のある汗を出すアポクリン腺と、水分が主成分でさらりとした汗を出すエクリン腺の2種類があり、頭皮に多いのはこのうちのエクリン腺です。本来、エクリン腺から分泌される汗は、臭いや肌への刺激などがほとんどありませんが、大量の汗をかいて皮膚常在菌や皮脂と混ざりあうと嫌なにおいを発し、肌への刺激となってかゆみを引き起こしやすくなります。授乳などで血流が活発になることも合わせて、汗の量が増える産後は特に頭皮にトラブルが起こりやすくなるので、頻繁に汗を拭くとか頭皮を清潔に保つなど、こまめなケアが大切です。
シャンプーやリンスの洗い残しでかゆい
シャンプーやリンスに含まれる洗浄成分は、髪の毛や頭皮の汚れをきれいさっぱり洗い流してくれる頼もしさがある分、ちゃんとすすぎをせずに頭皮に残ると肌への刺激となりやすく、かゆみや炎症、フケなどの頭皮トラブルを引き起こすもとになります。産後は、ホルモンバランスの急激な変化でただでさえ皮膚トラブルが起こりやすくなっていますが、そこに輪をかけるようにシャンプーやリンスを頭皮に残したままにしておくと、次々とトラブルが連鎖する原因に。例えば、頭皮の乾燥で肌のバリアー機能が弱っているところにシャンプーの洗い残しがダイレクトにダメージを与えてかゆみや赤みなどの炎症を引き起こし、それをかきむしることで傷ができ、一つの症状から次々と炎症が引き起こされる「負のスパイラル」となりかねないので、すすぎは十分にするようにしてください。
頭皮のかゆみを改善する方法
頭皮のかゆみは、ホルモンのアンバランスによって皮膚が敏感になることの影響もありますが、皮脂や汗による汚れが刺激になっていることも大きな原因です。頭皮のかゆみを改善するためには、頭皮を清潔に保ち、心と体の健康を心掛けることでホルモンバランスや自律神経の働きを整えることが大切。頭皮のかゆみを改善するための具体的な方法についてご紹介していきます。
正しい方法でシャンプーをする
頭皮や毛穴に詰まった汚れを落とすためには、シャンプー前の下準備が大切です。シャンプーをする前には、丁寧にブラッシングをして、ぬるま湯で事前に汚れを洗い流しましょう。シャンプーは、直接頭皮につけるのではなく、手で優しく泡立てます。モコモコとたっぷりと泡だったところで、その泡を髪の毛や頭皮に広げ、指の腹でマッサージするようになじませて洗っていきます。後頭部や首の近くは洗い残しが多いので、特に注意したいポイント。
最後にたくさんのお湯を使って、髪の毛と頭皮についた泡やぬめりを十分に洗い流します。この時、あまりに高温のお湯で洗うと、頭皮に必要な皮脂まで洗い流されてしまい、乾燥しやすくなることで余計にかゆみを生むので、38度程度のぬるま湯を使うといいですよ。
生活習慣を見直す
昼と夜の区別がつかず、夜中でも関係なく起きてくる赤ちゃんがいる生活では、妊娠前のような規則正しい生活は難しいでしょう。ですが、赤ちゃんが昼寝をしている間は自分も一緒に寝るとか、育児をしながら好きな音楽を聴いたりお茶を飲んだりしながら気分転換をするなどリラックスすることで、自律神経の働きが整い、心と体が健康になって頭皮状態に好影響を与えます。
食生活は、野菜や肉など栄養バランスのとれた食事を心掛けるようにしましょう。赤ちゃんのお世話をしている時は、忙しさから食事を簡単なもので済ませてしまいがちですが、添加物が多く栄養の偏ったレトルト食品やファストフードは健康を崩す原因になります。体の調子が整うことで、自然と頭皮のかゆみも収まりやすくなりますよ。
育毛剤の使用もおすすめ
正しい方法でシャンプーをしたり、食事や生活習慣に気を配ったりしていても、産後のホルモンのアンバランスは生理現象であり、頭皮のトラブルはやはり起こりやすいもの。そこで、前述でご紹介したケアに加えて、育毛剤を使用するというのもおすすめの方法です。育毛剤と聞くと、薄毛や抜け毛に悩む人が使うものという印象を受けますが、女性用の育毛剤は「ホルモンのアンバランスによって乱れた頭皮環境を整えること」を主な目的としているのが特徴です。
男性用育毛剤は女性用のものとは処方が違い、発毛や育毛に重点を置いていることや授乳中の女性に禁忌の成分が配合されていることがあるので、必ず女性用の育毛剤を使ってください。最近では、炭酸スプレーや育毛エッセンスなどたくさんの種類の女性用育毛剤が発売されており、授乳中の女性にも安心して使うことができる処方のものも豊富です。
おわりに
産後の頭皮トラブルは、女性ホルモンが大きく変化することが最も大きな原因で、それに伴って起こる体の変化がかゆみをはじめとした多くの不快な症状を引き起こします。しかし、頭皮のかゆみをはじめとしたトラブルは一時的なもので、出産してから時間がたってホルモンバランスが整えば元通りになるので、安心して大丈夫です。シャンプーの方法や生活習慣を見直し、育毛剤を使うなどのケアをすることが改善への近道となりますので、ぜひ参考にして実践してみてください。