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尿漏れ対応、ティッシュなどで代用せず尿専用品を使うこと

高齢生活研究所所長の浜田きよ子さん

 子世代が親の排泄トラブルに遭遇すると「いよいよおむつ? まずはパッド?」などと性急に考えがち。親とはいえ何となく立ち入りにくい領域であるし、年を取ればそういうものと、鷹揚に受け止めている面もある。

 しかし、明日はわが身でもある。もし親の排泄に助けが必要なら、お互いに心も体も快くいられるよう、手の差し伸べ方も考えたい。

 高齢者の排泄の悩みにも多く対応している、高齢生活研究所所長の浜田きよ子さんに聞いた。

「排泄したくなったとき、人にパンツを下ろしてもらう、お尻を拭いてもらうと、想像してみてください」と、まず浜田さんが問いかけた。

 “排泄は人の尊厳にかかわる”といわれる意味が直球でズシリと響き、同時に、その部分を“高齢になったらそういうもの”と、軽く考えていたことに気づかされる。普段、私たちが大急ぎでトイレを行き来する日常の感覚では、なかなか気づけないことだ。

「自分で排泄ができるかどうかは、年齢や体の状態を問わず誰にとっても大きなテーマ。できるだけ人の手を借りずに自分で排泄することは、健やかに暮らすためにも、とても大事なことなのです」

 それでも、高齢になると排泄トラブルは増える。本人はもちろんだが、家族も少なからず慌てることになる。

「介護するかたに知っておいてほしいことは、対策だけを先に考えないことです。排泄トラブルの原因は思いがけないところにもあります。カフェインやアルコールなど利尿作用の強いものをたくさん飲めば頻尿、多尿に。また食物繊維や腸内環境をよくする食べ物が不足すれば便秘がちになります。

 運動や睡眠も、大いに排泄に影響を与えます。膀胱や尿道の病気、機能障害の可能性もある。これは、かかりつけの内科医などでは気づけないこともあり、きちんと泌尿器科(排便のトラブルは肛門科)を受診する必要があります。また他の科で処方される薬の影響、精神的なストレスが排尿トラブルを招くこともあります。

 高齢者に多いのが、足腰が衰えて立ち座りや移動がスムーズでなくなり、トイレまで間に合わずにもれること。加齢により骨盤底筋が弱ると尿もれしやすくなりますが、トイレへの物理的な距離にも注目すべきです」

 排泄は日常生活のすべてにかかわっているのだ。

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