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2018.11.02 16:00  マネーポストWEB

年金「繰り下げ受給」選択が圧倒的に少ない当たり前の理由

年金「繰り下げ受給」を選択する人は「1.4%」しかいない


 現在、年金は65才から受け取れるが、実は約4割もの人がそれ以外の年齢で年金を受け取ることを選択している。自分に適した受け取り方を選ぶことで、年金額が増えたり、長生きのリスクに備えられたりするが、受け取り方を知らないと、知らぬ間に損することも。充実した老後のためにも、今正しい選択をすることが大切だ。

 現在の年金制度は、原則、「65才」から年金を受け取り始めて、死ぬまで受け取れる。一部の世代だけは「60~64才」でも部分的に年金を受け取れるが、あと数年でそんな特例制度も終わり、一律65才での受給開始になる。

 そうした中で受給を開始する時期を60~70才の間で自由に選ぶことができる年金の「繰り上げ、繰り下げ」制度だ。1年繰り上げをすると受け取れる年金額は6%減額され、1年繰り下げすると8.4%増額される。

 あなたが繰り上げに向いているか、繰り下げに適しているかを判断する前に、参考になる数字を知っておいていただきたい。すでに年金を受給している人は、どのような判断をしたのかという統計だ。厚労省の最新調査(2016年)によると、

・「繰り上げ」を選択した人の割合…34.1%
・「本来の65才受給」の人の割合…64.5%
・「繰り下げ」を選択した人の割合…1.4%

 だったという。

 つまり、圧倒的に「繰り下げ」を選択した人が少ないのだ。安倍晋三首相は「生涯現役であれば、70才を超えても受給開始年齢を選択可能にしていく」と発言するなど、「75才まで繰り下げられるようにする」と血気盛んなのだが、一体、どれだけの人が利用するのだろうか。「年金博士」こと、ブレインコンサルティングオフィスの北村庄吾さんが語る。

「国民としては、これから確実に目減りしていく年金を、受け取らずにじっと待とうとは、なかなか思えません。年金制度の破綻だってありえない話ではないのです。であれば、“いつもらえなくなるかわからないから、もらえるうちに、早めにもらっておかないと損しそうだ”というのが、年金の制度不安を知っている人の共通認識でしょう。だから、『繰り上げ』で受給したい人の方が圧倒的に多い」

 もう1つ、繰り上げ・繰り下げの判断基準になるのが、「健康寿命」という考え方だ。健康寿命とは、医療や介護を必要とせずに、1人でやりたいことがやれる体力を持てる寿命のことを指す。

「要介護や寝たきりになってから、たくさんお金を受け取っても意味がないと考える人は多い。旅行や運動など、趣味に思いっきり打ち込める間に、自由にできるお金があった方が、人生が有意義だとは思いませんか? そう考える人が多いので、『繰り上げ』を選ぶ人の割合が高いんです」(北村さん)

 日本人の健康寿命は、男性が72.14才、女性が74.79才。65才で年金を受給開始してからどちらも10年以内であることを考えると、心も体も若い時間は、意外と短いのかもしれない。

※女性セブン2018年11月1日号

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