現在の王岐山にとって、ファンは事情を知りすぎた存在だ。仮に彼女がこの私のように、海外に出て真相を暴露すれば大変なことになるから、口を封じなくてはならない。いっぽうで王岐山の政敵たちも、ファンを通じて王を陥れる証拠をつかみたいと考えている。中国の政治とはそういうものだ。彼女はもはや単なる芸能人ではなく、政治的な闘争の道具となっている。

 中国の残忍にして病みきった党体制のもとでは、ジャック・マーのような大富豪も、ファン・ビンビンのような国民的女優も、みな安全ではない。彼らは常に、つぶされる前のニワトリのように怯えきっている。法治なき中国とはかくも恐ろしい。必ずや改革されなくてはならない。ゆえに私は戦闘を継続する。一切都是剛剛開始。

構成■山久辺参一(ジャーナリスト)

【かく・ぶんき】山東省出身。国有企業職員を経て、不動産会社オーナーに。政府とのコネを利用して大成功。個人資産は最大時で約180億元(約3000億円)とも。2014年から米国に滞在。2015年1月、親交の深い馬建・国家安全部副部長(当時)の失脚後、中国には戻れなくなった。以後、中国高官のスキャンダルを告発。中国外務省は2017年4月、国際刑事警察機構(ICPO)に国際指名手配を要請。同時期、郭氏が出演した米政府系メディアのネット放送が突然打ち切られ、中国政府の圧力も疑われた。

※SAPIO2018年11・12月号

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン