銘板には故人の写真を添えることができる(写真/目黒御廟)

「自動搬送式はご先祖がほとんどの時間を暗い保管庫で過ごさなければなりません。ここなら常に明るい場所にいることができます」

 一方、新宿区早稲田にある龍善寺の「早稲田墓陵」は、「家族用で48万円」のリーズナブルな価格設定だ。

 特徴は、参拝スペースに「お骨がない」こと。地下の参拝室に墓石はなく、台の上に阿弥陀如来があり、その手前に花立と焼香台があるが、お骨は別室の棚に保管されているという。住職の平松浄心さんがいう。

「お墓は亡くなった方のためではなく、お参りに来る方のもの。遺骨に向かって手を合わせても意味がありません。遺骨を持ってきてほしいという方には、納骨室の棚から係の者がお運びしますが、お申し付けになる方は稀です」

 壁には大型モニターが設置され、法名や遺影、思い出の写真などが表示される。遺族が仏像の前で拝む行為を重視しているのだ。

「誰のためにお参りするのか」──様々なタイプの納骨堂はそうした問いを投げかける。利用者の答えに合ったものを選ぶ必要があるだろう。

※週刊ポスト2018年11月16日号

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