対策本を出版したエヌプラスの代表取締役・小林徳和氏はこう分析する。

「高齢ドライバーは不安心理が大きいようです。学校のテストなどの記憶が遠くに薄れ、“試験なんて何十年ぶり”という高齢者の場合、試験には固くなりがちです。力が出せずに落ちたらショックで自信を失ってしまうと思って、対策に熱心になるのではないか」

 とくに地方在住者の場合、免許を失った途端に行動範囲が限られる。それゆえ、「検査の問題を知って不安を和らげたいというニーズは大きい」(同前)とみているのだ。

 設問は3種類。検査日の年月日、曜日、時間を訊ねる「時間の見当識」に始まり、次は数々のイラストを見て記憶した上で、何が描かれていたかを後で答える「手がかり再生」。最後は指定の時刻をアナログ時計の針で描く「時計描画」だ。

 こうした内容は、警察庁がウェブサイトで公開している「例題」を引用・加工して作られている。

「インターネットをやらない年代にとってはHPにあると言われても、そこまで辿り着くのが難しい。当社の本は、問題が一目でわかるようシンプルに構成しています。文字を大きくし、無駄な情報はできるだけ省きました」(同前)

 ただ、「認知症ドライバーが検査をすり抜けることにならないか」との懸念も浮かぶ。

◆認知症なら予習もできない?

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