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2018.11.11 07:00  マネーポストWEB

本当に「がん保険」に入るべき? がん罹患率と医療費の誤解

2人に1人ががんに罹るのは80才以降から


 生命保険に支払う保険料は世帯平均で年38万2000円。1か月分の給料がまるまる飛んでいくほど高額で、“保険貧乏”に陥る家庭も少なくない。近年は「生きている間のリスク」に備えるものとして「医療・がん保険」の新規契約数が増加しているが、はたしてどこまで必要なのか。

 がん保険のCMでよく耳にするのが「日本人の2人に1人はがんになる」という言葉。間違いではないが、50才以下の人ががんになる確率は極めて低い。

 女性の場合、50才までにがんと診断される確率はわずか5%。60才までなら11%で、80才まででも29%程度にとどまる。男性の場合も、50才までのがん罹患率はたったの2%。60才までの場合も8%で、80才を超えてようやく2人に1人の5割に達する。

 後期高齢者(75才以上)になれば治療費は1割負担となり、さらに安くなるはずだ。50代までにがん保険に入る必要がどれだけあるだろうか。

 また、がん治療の医療費についても誤解が多い。ある大手生保ががん未経験者を対象に実施した調査によると、がん治療全体にかかる費用の予想について、半数以上が「300万円程度」または「300万円以上」と回答した。

 しかし、実際にがん治療を経験した人に費用を聞くと、約7割が「50万円程度」または「100万円程度」と答えた。つまり、がんだからといって、治療費に300万円などという大金は不要で、「医療保険に入らないと払えない」ということはないのだ。

 治療費が高額な「先進医療」への特約は、入っておくべきと思うだろう。しかし、これもまた注意が必要だ。保険に関する多数の著書がある保険アドバイザーの後田亨さんは、こう話す。

「そもそも先進医療というのは“実験医療”とほぼ同義です。『この病気が治る』という効果が証明されていないから、健康保険の対象になっていないだけ。効果があるかもわからない治療に数百万円も払う必要があるでしょうか」

 しかも、先進医療を実際に利用しているのはほんのわずかだ。ファイナンシャルプランナーの長尾義弘さんが語る。

「がん患者は1年間に100万人ほどいますが、先進医療を受ける人はそのうちの0.2%ほど。治療を受けられる施設も日本には非常に少なく、ほとんどの患者は保険適用の標準医療を受けています」

 先進医療特約の保険料は100円程度と安価ではあるが、先進医療特約目当ての加入が果たしてよい選択か、考えた方がいい。

※女性セブン2018年11月15日号

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