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『家主と地主』編集長が語る「骨肉相続」トラブルの回避法

相続トラブルを回避するためには遺言書作成は不可欠だが…

相続トラブルを回避するためには遺言書作成は不可欠だが…

 不動産経営者向けの月刊誌『家主と地主』の新聞広告には、おどろおどろしい言葉が並んでいる。〈弟が狙う3億円の駐車場を守った兄の秘策〉〈遺産2億円の分割で弟妹を説き伏せ全不動産を相続〉──。2003年に創刊した同誌は不動産投資や賃貸経営についての情報を提供する雑誌だが、広告の強烈さは家主や地主以外の人々の間でも話題になった。

最新の11月号では〈相続の理不尽に打ち勝つ骨肉の争い解決法〉と題して、相続の大特集を組んだところ、早くも完売ペースで売れているそうだ。同誌編集長の永井ゆかり氏がいう。

「雑誌の性質上、当初は不動産関連の相続トラブルを軸に考えていましたが、取材を進めてみると、不動産が絡まないケースも少なくなかった。そのため今はあらゆる角度から幅広く相続問題を扱っています」

 同誌編集部に日々寄せられる相談には、トラブルの原因、そして解決のヒントが隠されている。

父の認知症で口座が凍結

 親の認知症による相続トラブルが近年急増している。都内在住の50代男性A氏は3人兄弟の長男。80代の父親が住む関東郊外の実家は、土地建物合わせて1億円という豪邸だ。

 A氏の父親は「俺が生きているうちに自宅は長男に譲る。預貯金は弟たちで分けろ」と常々口にしていた。豪邸を生前贈与される約束を得たA氏は、いずれリフォームして一家で移り住むことを思い描いていた。

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