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「世界一清潔な空港」功労者による清掃が楽しくなる人気講演

全国ビルクリーニング技能競技会で最年少優勝者、日本空港テクノ株式会社の新津春子さん

 日本全国で様々な講演が行われているが、中にはあっという間に満員になる講演会がある。そんな人気の講演者は、いったいどんな話をしているのだろうか──。そこで、講演情報サイト「講演依頼.com」のライフスタイル(収納・片付け)部門で検索ランキング2位の日本空港テクノ株式会社・新津春子さん(48)の講演をここに再現する。

【プロフィール】
日本空港テクノ株式会社/新津春子さん(48)
中国・瀋陽生まれ。17才で来日、高校に通いながら清掃の仕事に従事。全国ビルクリーニング技能競技会で最年少優勝。羽田空港が「世界一清潔な空港」に選出された功労者。

 * * *
 中国残留日本人孤児二世として17才で来日した私は日本語が話せなくていじめられていました。自分の居場所がどこにもなくつらい状況でしたが、“頑張ればいつか認めてもらえる”と信じてやってきました。言葉が通じずマイナスから始まっているから、努力してもようやく人並みに達するだけ。だからこそ、それ以上に頑張る必要がありました。

 清掃の仕事も、好きで始めたのではありません。お金が必要だったし、言葉が通じなくてもできるから始めたんです。とはいえ、清掃は言葉よりも体を動かすことが大事で、頑張った分だけ結果が出る。私の性格にピッタリでした。

「清掃はあまり好きじゃない」というかたもいるでしょうが、私が伝えたいのは、「目標を持つ」ことの大切さです。

 例えば、「部屋をきれいにしよう」という目標があれば、清掃中に簡単には取れない汚れが見つかったら、いろいろな洗剤や拭き方を試したり、洗剤メーカーに問い合わせたりします。目標に向かって“頑張って汚れを取ろう”という気持ちを持てば、実際に汚れが取れたら嬉しく思うはずなのです。

「好きな人のために、清掃をしたい」という目標でも大丈夫です。「相手にもっと自分を好きになってもらいたい」「もっといい環境で暮らしてほしい」と願えば、清掃は苦になりません。それで好きな人にほめてもらったり、頼られるようになれば、清掃がさらに楽しくなります。

 家の清掃をしたのに家族が気づかなくても、「今日、トイレをきれいにしたんだけど気づいた?」とか「お風呂の汚れを落としたんだけど、すごい大変だったの」と笑顔で伝えれば会話も弾み、家庭内も明るくなりますし、自分自身のやりがいも感じられます。

 その他の家事や仕事なども一緒です。きちんと目標を設定し、諦めず努力を続ければ、問題を解決するプロセスが楽しくなる。さらに目標を達成すれば、ますます家事や仕事が好きになります。そうした好循環を生み出すことが何より大切です。

※女性セブン2018年11月22日号

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