国内

自己責任論で再燃、ネット民が重視する「公」と「ルール」

熊田曜子はバッシングに遭った(時事通信フォト)

 社会生活を円滑に営む上で「ルール」の存在は必要不可欠だ。ところが、ルールはあくまで手段であって目的ではないはずなのに、ネットではしばしば、ルールなのだからという理由だけでその順守を厳しく求める傾向が見られる。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、なぜネット民はルールの順守を重視するのかについて考えた。

 * * *
 ジャーナリスト・安田純平氏が帰国し、会見で「自己責任」「自業自得」と発言したことによりバッシングは収まった感もある。この件を受け、ネットにおけるバッシングについて取材を受けたが、その際記者から聞かれたのが、「なぜ、ネットの人々は『公(おおやけ)』を尊重し、『ルール』の順守をここまで重視するのか」だ。

 記者の意図としては、両方を重視することは重要だが、そこから外れた者が猛烈に叩かれるのはなぜか、ということだろう。安田氏をめぐる「公」といえば、政府や外務省の人間も動かしていただけに、そこには税金が投下されている、ということ。「ルール」については、外務省がシリアを渡航禁止国に指定していたことにある。そこから「ルールを破る人間に税金を投入して助ける必要はない」というのが自己責任論の正当性につながり、バッシングが当然という流れになる。

 ネットで誰かを叩く人間については、「日常生活の不満の解消手段としてネットに悪口を書きまくる」という説が昔からある。ただ、これは違う。何らかのバッシングをしている者は義憤からやっていることもあるのだ。安田氏についても「彼を英雄視してしまえば、同じようなことをやる人間が出てしまう」といった懸念から叩いている人間もいるはずだ。

 そして、安田氏ほどの大規模な叩きではないが、「ルール」の順守についてプチ炎上ともいう騒動が発生した。タレントの熊田曜子が、児童館に5歳、3歳、4か月の子供達を連れて行ったことをブログで報告。この施設は遊ぶ時間と人数制限があるため事前にチケットを申請する必要がある。職員からは、大人1名につき、子供2名までだと入館を断られた。熊田は4か月の子はずっと抱っこし、上の子はその状態で見ると言ったところ別の職員が来て「ダメです」と言われたという内容だ。

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン