「この病気ならこの温泉」全国MAPその2
◆リウマチも、胃痛も
高血圧には「含よう素泉」が有効だと言われる。掲載した20の温泉では豊富温泉（北海道）が該当する。
「よう素は海藻にも含まれる成分で、汗腺や粘膜から取り込まれて血液をサラサラにしたり、血管壁を若返らせることで血圧を下げたりする。高脂血症にも効果があります」
豊富温泉は世界でも珍しい油分を含んだ温泉だ。そのため保湿効果が高いと言われている。
関節や筋肉の痛みを和らげて関節の可動性を増す働きがあり、関節リウマチや慢性多発性関節炎、変形性関節症などに効果があるとされるのが「塩化物泉」（食塩泉）だ。トップ20のなかでも有馬温泉（兵庫）は塩分濃度が高く、腰や膝などの痛みを和らげるために通う人が多い。
「1400年前に舒明天皇が3か月間湯治に励んだと『日本書紀』に記されているほど歴史がある温泉です。塩分濃度は海水の2倍ほどで日本トップクラス。関節痛のみならず、皮膚にも良いとされています」
ベスト20では塩原温泉郷（栃木）、熱海温泉郷（静岡）などが塩化物泉として知られている。有馬は塩化物泉だけでなく、動脈硬化に効果的な「二酸化炭素泉（炭酸泉）」の温泉も存在する。
「二酸化炭素は皮膚からの吸収率が非常に高い。入浴により血中の二酸化炭素が増えると皮膚の血管が拡張する効果があります」
