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丸FA流出でも広島が「暗黒期」に戻らない理由

 なかには一時的に活躍を見せたドラフト1位選手もいたが、長続きしなかった印象だ。1994年、日本体育大から入団した山内泰幸は新人王に輝き、3年目までに32勝を挙げたが、その後は故障もあって目立った成績は残せていない。市立銚子高から1995年に入団した長谷川昌幸は2001年に9勝、2002年に13勝を挙げたが、それ以外の年は活躍できなかった。

 1997年に青山学院大から入団した澤崎俊和は1年目に12勝を挙げて新人王に輝くも、以降は期待されたほどの成績は残せていない。

「嶋重宣(1994年2位)や東出輝裕(1998年1位)のように、高校生のドラフト上位から主力に成長した選手もいるし、この時期にドラフトで獲得した選手がすべて活躍しなかったわけではない。だが、当時は巨人の人気が高く、在京球団希望の選手が目立っていた。たとえば、直前まで広島を逆指名すると思われていた地元出身の二岡智宏(1998年)が逆指名で巨人入りするなど、他球団に後塵を拝した面は否めない。

 もし現行のドラフト制度であれば、もっと層が厚くなる補強ができていたはずで、15年連続Bクラスはなかったのではないか」

 近年では2014年に大竹寛が巨人にFA移籍したが、この年の広島は3位でシーズンを終えた。勝ち越してのAクラス入りは実に18年ぶりだった。2016年にはポスティングで前田健太がメジャーへ渡ったが、この年にチームは25年ぶりの優勝を果たし、以降3連覇を成し遂げている。明らかに、1990年代や2000年代とは様相が変わっているのだ。

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