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2018.11.16 07:00  マネーポストWEB

規制強化のふるさと納税に「裏メニュー」が存在? カギは週末に…

ふるさと納税の豪華返礼品はまだまだ健在?(イメージ)


 実質自己負担2000円で全国各地の自治体から豪華な返礼品を受け取れるとして大ブームを巻き起こしたふるさと納税。返礼品競争が激化したことが問題となり、総務省が規制強化を進めているが、したたかな自治体は“裏メニュー”を用意して対抗している。

 金曜の夜に掲載された豪華な返礼品が、月曜の朝に忽然と姿を消す。ある「ふるさと納税サイト」ではそんな不思議な現象が起きていた──。

 2008年にスタートした「ふるさと納税」は、自身で選んだ地方自治体に一定額を寄付すると、納めた住民税が税額控除される制度だ。

 自治体側は返礼品を提供するが、より多く寄付金を集めようとする競争が過熱。2017年4月に制度を所管する総務省から、「(寄付額に対する)返礼割合が3割超の返礼品は不可」という方針が各都道府県に通知された。

 さらに今年9月には3割以上の返礼品を出し続けている246自治体を名指しした報告書を公開し、より強く方針の遵守を求めた。これを受け、多くの自治体は返礼割合3割以上の商品を取り下げた。ただ、一部の自治体は“抵抗”を続けていた。

 その一端を報じたのが朝日新聞の〈ふるさと納税 豪華「裏」返礼品〉(11月2日付、朝刊)と題した記事だった。

“裏技”を知る者だけが返礼割合の高い商品を入手できるという内容で、記事では2種類の手法を自治体名をあげて説明している。

◆「ふるなび」でお宝探し

 ひとつは“電話で問い合わせた寄付希望者にだけ”返礼割合5割の商品の入手法を伝える鹿児島県の南種子町。もうひとつは“週末限定”で返礼割合4割のギフト券を特定のふるさと納税サイトに出品する静岡県小山町と佐賀県みやき町だ。

 各自治体に問い合わせると、「担当者の手違い。裏メニューなどの思惑はない」(南種子町)、「ふるさと納税サイト側との意思疎通にミスが生じた」(みやき町)など歯切れが悪いが、小山町の担当者は少し違った。

「寄付額が下がってきた中で、何か新しいことを始めてみようと思いました」

 総務省に問い合わせると、「そうした手法が存在するという噂は把握しているが、具体的な調査はしていない」という答えだったが、締めつけが厳しくなるなかで、自治体側が“工夫”を重ねている様子が窺える。

 そうした“裏メニュー”を探すカギは「週末」だ。小山町の担当者が話す。

「土日はサイトを見てくれる方が多いため、そこに向けて目玉となる返礼品を出品しようと考えました」

 9月の最終週の土日に初めて返礼割合4割のアマゾンギフト券を出品したところ大反響。翌週末はクオカードとJCBギフトカードも合わせて出品、寄付額はうなぎのぼりに伸びた。

「10月末までの1か月間で少なくとも10億円以上の寄付が集まった」(同前)

 では、土日にどのサイトを見るのがいいのか。小山町が週末限定で商品券を出品したサイトは「ふるなび」と「ふるさとプレミアム」だ。ふるさと納税活用方法を指南するウェブサイト「ふるさと納税ナビ」の内田綾子編集長は次のように解説する。

「納税サイトは10以上ある。最大手は『ふるさとチョイス』で、二番手が『さとふる』です。ただこの2サイトには家電や商品券などが掲載されておらず、『ふるさとチョイス』は返礼割合が3割を超える商品を掲載しないと明言している。一方、『ふるなび』や『ふるさとプレミアム』は家電や商品券も扱っており、返礼率の高い商品に行き着く可能性が高いサイトです」

 今回、“裏メニュー”が掲載されていたと報じられたことについて「ふるなび」に問い合わせたところ、「掲載商品の選定は自治体の判断に一任しており、“裏メニュー”と言われて困惑しています」という答えだった。

◆ランキングの「変動」に注目

 期間限定ではなく、堂々と3割以上の返礼品を提供し続ける自治体もある。大阪府泉佐野市は現在も5割を目安にラインナップ。北海道の森町は12月末までは5割を続ける方針で、福岡県の上毛町も12月末まで4割5分をキープする予定だという。

 ただ、こうした高返礼率の商品も、「ふるさとチョイス」や「さとふる」などの最大手サイトは掲載しない。前出の内田氏が解説する。

「『ふるなび』や『ふるさとプレミアム』などのサイトで探すとよいでしょう。また、『ふるさと納税 商品券』などのキーワードでインターネット検索するのも有効なテクニックです。返礼率の高い商品を紹介する有益な情報に行き着けることがあります」

 経済アナリストの森永卓郎氏はこうアドバイスする。

「定期的に各サイトの人気ランキングを見ておくと良いでしょう。返礼割合が高いものが出品されると、ランキングが急上昇する。金券と違い返礼割合が一目で判断しにくい生鮮食品なども逃さずチェックできます」

 ふるさと納税を巡る総務省と自治体と納税(寄付)者の“情報戦”は、新たな局面に入っている。

※週刊ポスト2018年11月23日号

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