芸能

岸部一徳 ミュージシャンから転じ俳優を続けてきた原動力は

俳優生活は40年を超えた

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、俳優・岸部一徳が、主演映画『鈴木家の嘘』で日常を演じたこと、ミュージシャンから転身して四十年以上、俳優を続けてきたことについて語った言葉をお届けする。

 * * *
 公開中の主演映画『鈴木家の嘘』では、息子の自殺を妻に隠そうとする父親役を演じている。脚本が岸部を想定して書かれていたこともあり、家庭の日常空間にいる父親がまるで岸部そのもののように見えてくる。

「よく書けている脚本だと思います。そこにふっと、そのままそこにいれば、もう成り立っているような脚本でしたからね。自分がポッとそこに立つという風に、ただそこにいればいい。

 映画は別に俳優だけが背負ってやっているわけではないので、一つのシーン、一つのカットで俳優が受け持つのは百じゃなくていいわけです。俳優が何かを喋るよりも、そこにポツンと何か置いてあることで表現できる場合もあって、それが映画の面白さというか。この映画は、そういう喋っているようで喋ってないシーンがある。ですから、僕には入りやすかったです。この監督(野尻克己氏)は映画の助監督が長かったから、そこのところをよく分かっています。

 日常を演じることは、僕は難しいとは思わないですね。こういう映画で父親の役をやると、改めて家族というものを考えたりします。息子のことや、娘はどう思っているのかとかね。そういうことを考えながらやっていると、自分の日常にちょっと重なって、この役のこの家庭での日常はこんな風にするとこんな風に見えるかな、ということを意識して考えなくなるんですよ。自分が過ごしてきた日常というのは、どこかもう体の中に入っているので。ですから、そういう意味で物凄くリアル。それを一生懸命やった感じです」

 ミュージシャンから俳優に転身して、四十年以上になる。その原動力はなんだったのだろう。

関連記事

トピックス

二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン