• TOP
  • コラム
  • 【ドル円週間見通し】米利上げペースの減速意識で上げ渋りか

コラム

2018.11.25 08:00  マネーポストWEB

【ドル円週間見通し】米利上げペースの減速意識で上げ渋りか

今週のドル・円相場は上げ渋りか


 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が11月26日~11月30日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円は上げ渋りか。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペースの減速が意識されている。欧州発のリスク要因でユーロやポンドは下落基調が続いており、ドル選好の地合いが一変する可能性は低いものの、今月に入り、FRBのパウエル議長をはじめ当局者からのハト派寄りの見解が目立つ。足元ではクラリダ副議長が政策金利は中立的な水準に近づいているとしたほか、カプラン・ダラス連銀総裁が欧州と中国の減速で米経済が影響を受ける可能性に言及している。

 こうした姿勢は引き締め継続期待を弱めているとみられる。28日発表の7-9月期国内総生産(GDP)が低調な内容となった場合には、腰折れ懸念からドル売りに振れやすい見通し。また、29日公表の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨でハト派寄りのトーンが示されれば、12月利上げ観測は低下し、ドルは一段安となりそうだ。一方、トランプ米大統領と習近平・中国国家主席は11月30日-12月1日開催の20カ国首脳会議(G20)で首脳会談を開く予定だが、そこで対立が解消しないとドル買いは入りにくいだろう。

 ただ、欧州通貨売りを背景に、ドル選好地合いがただちに変わる可能性は低いとみられる。欧州委員会はイタリア政府の財政赤字超過を問題視し、制裁手続きに入った。また、ブレグジットで英国の政治情勢は行き詰まっており、投資家はユーロとポンドに対して弱気になっていることはドルに対する支援材料となる。

【米・7-9月期国内総生産(GDP)改定値】(28日発表予定)
 28日発表の7-9月期国内総生産(GDP)改定値は、拡大基調を維持できるか注目される。速報値は4-6月期の+4.2%から+3.5%に成長は鈍化したが、改定値では+3.6%への上方修正が見込まれる。ただ、市場予想を下回った場合は減速懸念でドル売りが強まりやすい。

【米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨】(29日公表予定)
 11月7-8日開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が29日に公表される。ハト派寄りの意見が多く含まれていた場合、2020年まで利上げスタンスは継続しないとの観測が広がろう。12月利上げ期待もやや低下しており、ドル売りが本格化しそうだ。

・11月26日-30日週に発表予定の主要経済指標の見通しについては以下の通り。

○(米)CB11月消費者信頼感指数 27日(火)日本時間28日午前0時発表予定
・予想は、136.0
 参考となる10月実績は137.9に上昇。同月の期待指数は114.6に上昇し、2000年9月(115.89)以来の高水準となった。11月については、雇用情勢は依然として良好との見方が多いことから、10月実績に近い水準となる見込み。10月時点でビジネス環境の改善に対する期待が高いことも信頼感指数にとってプラス材料となる。

○(米)7-9月期国内総生産改定値 28日(水)午後10時30分発表予定
・予想は前期比+3.6%
 参考となる速報値では、個人消費は前期比年率+4.0%の高い伸びを記録。4-6月期実績の+3.8%増を上回った。減税効果による可処分所得の拡大が支出を促したもようだ。民間在庫投資が増加したことも成長に寄与した。改定値では個人消費、在庫投資、純輸出などの数値が改訂される可能性がある。

○(米)10月PCEコア指数 29日(木)午後10時30分発表予定
・予想は前年比+1.9%
 参考となる9月実績は前年比+2.0%。また、10月消費者物価コア指数は前年比+2.1%で上昇率は鈍化した。10月のコアPCEは、家賃、保険、衣料品価格の上昇率がやや鈍化する可能性があることから、全体の物価上昇率は9月実績を下回る可能性がある。

○(欧)11月ユーロ圏消費者物価指数 30日(金)午後7時発表予定
・10月実績は前年比+2.2%
 参考となる10月実績(改定値)は前年比+2.2%で2012年12月以来の上昇率となった。エネルギー価格が指数の上昇に寄与した。ただ、10月のコア指数は前年比+1.1%にとどまった。11月については、エネルギー価格の上昇幅がやや縮小するとみられており、需要増による物価への影響は小さいことから、インフレ率は10月実績をやや下回る可能性がある。

○その他の主な経済指標の発表予定
・28日(水):(米)10月新築住宅販売件数
・30日(金):(欧)10月ユーロ圏失業率、(米)11月シカゴ購買部協会景気指数、(日)10月失業率、(日)10月有効求人倍率、(日)10月鉱工業生産速報

【予想レンジ】
・111円00銭-114円00銭

関連記事

トピックス