奥に置かれた一つの丸テーブルで3人のサラリーマンが飲んでいた。50代が2人と20代と思われる1人だ。ただし3人とも同じ会社の同僚というわけではないらしい。
「毎日頑張ってる若いサラリーマンが心を癒しに来る店でもあるんです。ここで知り合った人生の先輩(私たち世代)に、飲みながら仕事や人間関係の悩みを打ち明け、アドバイスをもらって元気になる。これも角打ち効果ですよ。私ら3人はそもそもがそういう出会いでした」(50代、会社員)
そんな場面を取り持つ最良の媒体といえるのが、焼酎ハイボール。「誉め言葉がおいしいの一言じゃ、この酒に申し訳ないんでね。甘くなくて喉ごしもいいところが気に入ってますから。そうですねえ、ここに来れば4~5缶は必ず飲みます」(40代、空調関係)
お互い200mと離れていない東武東上線・成増駅と東京メトロ(副都心線、有楽町線)・地下鉄成増駅。そのどちらの駅から歩いても約2分という近さも、人気の要因になっている。
「僕の職場はこの店のすぐ近くで数10歩で着きます。逆に、ここで知り合ったお仲間は家まで歩いて数分のところ。これに駅まで2~3分なんて好条件がついたら、帰り道にこの店を素通りすることなんてできるわけないですよね。いやあ、角打ちを始めてくれてよかったです」(20代、飲食店勤務)