(1)の人は、料金はガラケーよりスマホに近いガラホが、ガラケーに近い使い勝手ということもあって一番受け入れられそうだ。そう考えると、キャリアは今後もガラホは投入していくだろう。
(2)に該当する人は意外に多いと目され、ガラケー難民争奪の主戦場は(2)の人たちかもしれない。ガラケーはスマホに比べて圧倒的にバッテリー持ちが良くて重量も軽く、通話や連絡メールはガラケーに特化して、ネット閲覧や検索などは大画面スマホかタブレットと使い分けている層だ。
最近はスマホも画面サイズが6インチという商品が当たり前になるほど大型化し、スマホとタブレットの中間、いわゆるファブレットが多数、市販されている。スマホ中毒で若年性老眼の人も増えているから、大画面スマホを選ぶ人はこれからも増えそうだ。
この(2)に該当する、シニア世代のAさんはこう言う。
「auのガラケーと、IIJで月に3GBのデータ専用SIMをタブレットに挿して利用し、月額料金は合わせて2800円ぐらい。
auの3Gサービス終了まで3年以上あるし、終了ギリギリまでauのガラケーを使って、終了がもっと先になるドコモに乗り換えるという手もあれば、スマホに一本化して、MVNOで音声通話込みのSIMに変える方法もある。
キャリアだって、国からの料金値下げ圧力が強まっているから、実際にどの程度下がるのかを当分待って見極めてもいい。それに、来年からはまだ価格は高いだろうけど、折り畳みスマホも出てくるとか。技術や商品の変化が速いから、しばらく様子を見ようと思います」
折り畳みスマホは閉じた状態では4.5~5インチ程度、広げると7~8インチのタブレットになると言われ、通常はコンパクトなスマホ形状で通話やメール、広げればネットニュースを見たり検索したりするのに便利なタブレットに早変わり。それが1台で完結するのだから、来年以降の5Gの登場ともども、折り畳みスマホが普及価格帯まで下がってくれば、一気にブレークしていくかもしれない。
ともあれ、段階的にガラケーはなくなっていくわけで、ガラケー難民という“浮動票”を、キャリアやMVNO各社がどこまで捕まえられるか、その受け皿の陣取り合戦が熾烈化していくことになる。
●文/河野圭祐(ジャーナリスト)