「キャストがいくらフレッシュな気持ちで演じようと思っても、プロの役者さんというのは、1度は監督のOKが出た動きを無意識のうちに覚えてしまっているんです。それを超える演技をするのは大変で、何度も撮り直したり、遅くまで撮影を続けたり…無理を強いたこともありました」(藤井監督)
全員が映画公開という目標に向かって走り続けた結果、事件から1年後に無事クランクアップを迎えることができた。
「2016年8月14日から2017年8日13日までという長丁場の撮影を乗り切ったからこそ、キャストやスタッフら全員の仲がとてもいいんです。撮影後も、主題歌の『たられば』を提供してくださったamazarashiさんのライブに行ったり、誰かの誕生日に集まったり。当時の思い出話をすることもあります。事件からもう2年。顔を合わせる機会も減っていますが、11月に行われた試写会では久しぶりにみんなと再会することができました。楽屋の雰囲気はまるで同窓会。にぎやかでした(笑い)」(藤井監督)
冒頭、涙をぬぐったあと、真野はこう語っている。
「大事にしてきた作品が私たちの元を離れるのは寂しいんですが、これから大きく羽ばたいてくれると嬉しいです」
新しい未来に向かって進んできたからこそ完成した『青の帰り道』は、念願の公開を迎えた──。
◇『青の帰り道』は12月7日より新宿バルト9ほか全国順次公開中( 配給:NexTone 配給協力:ティ・ジョイ)。