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頻尿「命に関わる重大な疾病の予兆となる例も」と専門医

夜中にトイレに行きたくなるのは辛い

「尿漏れ」「残尿感」「キレの悪さ」など、年齢を重ねるにつれて排尿障害は増えるが、なかでも代表的な症状が頻尿だ。順天堂大学医学部附属順天堂医院泌尿器科の磯谷周治医師の解説。

「臨床医学的には1日10回以上トイレに行くと、『頻尿』と定義されます。“年を取ったせいだから仕方ない”と軽視されがちですが、命に関わる重大な疾病の予兆となっているケースが存在します」

 1日の水分摂取量や気候の寒暖によって変わってくる部分もあるが、排尿が1日7~8回以下であれば正常とされる。

 頻尿の原因でもっとも多いのが前立腺肥大である。臨床医として多くの前立腺がんを早期発見してきた五本木クリニック(泌尿器科・内科)院長の桑満おさむ氏がいう。

「加齢とともに前立腺は大きくなるため、それに伴って尿の通り道が狭められたり、膀胱が圧迫されたりします。結果的に残尿を発生させるなどして、膀胱内に尿が溜まりやすくなる。そのため頻尿になったら、まずは良性の腫瘍である前立腺肥大症が疑われます。一方で、初期段階ではほとんど自覚症状のない前立腺がんも病状が進行すると、同じような頻尿症状が見られるため注意が必要です」

 東邦大学医療センター佐倉病院内科学神経内科の榊原隆次・准教授の研究によると、認知症を発症すると頻尿を起こすケースが多いと報告されている。認知症になって大脳皮質に異変が起きると、本来必要でない排尿指令を膀胱に出すことで頻尿になるという。こうした症状は認知症の初期から現われるというから、重要な「サイン」となり得る。

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