ビジネス

ケーキよりパン人気? 街の洋菓子店が次々廃業している理由

クリスマスには需要の多いケーキだが…(写真はイメージ)

 間もなくやってくるクリスマスや誕生日などの祝い事に欠かせないケーキ。だが近年、意外なことに街中の洋菓子店が次々と廃業に追い込まれているという。一体なぜなのか。神戸国際大学経済学部教授の中村智彦氏がレポートする。

 * * *
 個人の洋菓子店が急激にその数を減らしています。例えば、神戸市は洋菓子の街として観光プロモーションを行うほど、その名が知られています。しかし、ここ数年、有名洋菓子店の廃業や倒産が続いているのです。

 2014年には西洋菓子処フーケが突然倒産し、大きな話題となりました。その後も、閉店や廃業、倒産が続き、2017年には神戸や大阪、東京に販売店やカフェなど9店舗を展開していたイグレック・プリュスが資金繰りの悪化を理由に廃業。さらに、本高砂屋(神戸市東灘区)が展開してきた高級洋菓子ブランド「御影高杉」の全3店舗を閉店するなど、いずれも知名度が高かっただけに地元神戸では大きな話題になりました。

 そして、今年も10月に洋菓子店「モンブランKOBE」が負債3億円で破産申請を行いました。このように一見華やかなように見える洋菓子の世界ですが、実は競争がし烈化しているのです。

 神戸で洋菓子が成長したのは、欧米の玄関口の港町として外国人が多く居住し、様々な料理や菓子類が早くから定着したからです。こうした料理やお菓子作りは、多くの中小の個人商店が担ってきました。そして、かつては、神戸市は世帯当たりの洋菓子消費量が全国で上位に来ていました。ところが、この十年で急激に順位を落としているのです。

 こうした原因は様々考えられます。

 一つは、神戸市民の高齢化と子育て世帯の減少です。ケーキ類を喜ぶ、子供のいる世帯が急激に減ってきているのです。さらに、個人洋菓子店の需要を奪っているライバルの一つが、コンビニエンスストアです。近年、コンビニ各社はスイーツ分野に力を入れていることが、消費者の購入する場を変えているのです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン