では、なぜ“年末三が日”に復活をフィーチャーする番組が集中したのでしょうか。
最大の理由は、日本中の人々が「一年の終わり」として区切りをつける時期だから。各局が「今年もいろいろあったけど、人や物がよみがえるシーンを見て感動したい」「勢いのある新しい番組より、だいたい理解している番組をゆったり楽しみたい」という視聴者心理を踏まえているのです。
特に今年は「平成最後」という、ひと際大きな区切りの年末。たとえば、もしDA PUMPがレコード大賞を受賞したら「平成最後の年に見事復活!」、井岡一翔さんが勝利したら「平成最後の年に4階級制覇で復活!」、北島三郎さんがサビの歌詞に「平成」を入れて替え歌にしたら、相当盛り上がるでしょう。
また、テレビ局にとっては、「仕事や学校が休みの人が多い上に、実家に帰省して家族がそろっている」ことが“三が日”の強み。復活をフィーチャーした番組は、どれも世代を超えて感情を共有しやすく、ファミリー視聴に適したものばかりです。
「2018年をしみじみと振り返り、感動で締めくくりたい」という人は、前述した“年末三が日”の番組を積極的に選んで視聴してみてはいかがでしょうか。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。