トヨタは、自動車業界の100年に一度の大変革の時代対応として、コネクティッド・自動化・シェアリング・電動化といったCASE対応が進むことで、クルマの概念が大きく変わっていくと受けとめている。この大きなうねりの中で、未来のモビリティ社会を見据え、「クルマをつくる会社」から「モビリティに関わるあらゆるサービスを提供する『モビリティ・カンパニー』へと変革する」(豊田章男社長)ことを宣言している。
サブスクリプションサービスKINTOの国内販売での導入もその一環となる。トヨタ国内販売事業本部副本部長の長田准氏は、「日本の自動車マーケティングを変える手段のひとつとして考えてのトライアルだ」とする。
「KINTOは、基本的にトヨタファイナンシャルサービスでシステム展開する。いろんなタイミングで自由にトヨタ車を選んでもらい、トヨタ固有のコネクティッドサービスでより可愛がってもらえるKINTOで、結果的に買い替え期間の短縮にも結びつくことになると考えている」
とトヨタ独自のサブスクリプションサービスとしてトヨタ車国内販売の代替え促進にも期待する。
ただ、「欧米と違って日本の登録制度の壁もある。登録や車庫証明の煩雑さなどが課題で、当面はトライアルであり、日本でこのサブスクリプションサービスが主流になるかというと、まだ大きくは変わらないだろう」とも。
米国では、GMがキャデラックブランドで月1800ドルからの継続課金で年間18回までキャデラック車種を変更できるサブスクリプションサービスを開始しており、ポルシェは「パスポート」という6つの車種から選ぶことができ、月2000ドルからの支払いとなっている。このほか、ベンツが「メルセデスベンツ・コレクション」として導入するなど、ユーザーの「保有から利用へ」のサブスクリプションサービスの展開は進んでいる。
日本でも中古車販売の大手、ガリバーがBMW・MINIを月額7万9800円でリース契約できる「NOREL」を展開しているが、走行距離5000km以上か納車から10か月が経過すれば乗り換えられるシステムとなっている。