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2019.01.09 17:00  マネーポストWEB

2019年、テクノロジーの発展10大トレンド予想

2019年、テクノロジーはどこまで発展するか?(イメージ)


 2019年、テクノロジーの発展は私たちの生活をどう変えるのか。基礎科学、技術イノベーションを研究するアリババ・DAMO・アカデミーが、新年早々、「2019年十大科学技術トレンド」を発表した。その10項目を見てみよう。

◆【1】都市リアルタイムシミュレーションが可能となるスマートシティが誕生する

 都市公共インフラ設備で感知されたデータや、都市おいてリアルタイムで発生、脈動するデータが一つのコンピュータープラットフォーム上に集められる。計算・分析能力が高まり、構造化データ、非構造化データがリアルタイムに融合され、それによってスマートシティの水準が大きくレベルアップする。

◆【2】音声AIが特定領域においてチューリングテストを通過する

 チューリングテストとは、機械が人間と区別できないほど知的かどうかを判定するためのテストである。

◆【3】AI専用チップがGPUによる絶対的な統治の地位を脅かす

 現在のシステムでは、3D座標から2D座標への変換など高度な演算処理をGPU(グラフィック処理ユニット)がCPUに替わり行っている。しかし、深層学習のニューラルネットワークが複雑になるにつれて、AIトレーニングにおいて計算とメモリー間のデータ移動速度の遅さがネックとなっている。そのため、AI専用チップの利用が進む。

◆【4】超大規模のグラフニューラルネットワークが機械に常識を与える

 単純な深層学習は既に成熟している。グラフニューラルネットワークによる深層学習を行い、エンド2エンド学習と帰納推理を結合させることで、これまで処理することができなかった関係推理、解釈可能性などの一連の問題を解くことができるようになると期待される。

◆【5】コンピュータシステム構造が再構築される

 計算、メモリー、ネットワークは、人工知能が必要とする高速、大量の計算処理を満たすと同時に、モノのインターネットシーンにおける低エネルギー消耗といった要求も満たさなければならない。これまでのCPUをコアとした一般用途計算システムからアプリケーション駆動型、技術駆動型による領域限定型システム構造へと大転換が起こる。それによって、人工知能、さらに量子コンピュータの黄金時代が到来する。

◆【6】5Gネットワークがアプリケーション・シーンの全面的な刷新を促す

 5Gは4Gの100倍近いピークセルレート速度を提供することができる。4K/8Kの超高画質映像や、AR/VRなどの没入型のインタラクティブモデルの成熟を促す。接続能力の飛躍的な増強は、大量の機器類間の通信、接続を通じて、それらに深い融合をもたらす。ネットワークはクラウド化、ソフトウエア化する。さらに、細分化され相互に独立し、並行したバーチャルサブネットワークを形成する。異なるアプリケーションが提供するバーチャルプライベートネットワークが信頼性を高め、遅延時間を短くし、大容量のネットワーク能力を引き出し、それによって、車道の共有、工業用インターネットなどの領域で全く新しい技術をもたらす。

◆【7】デジタルIDが第2の身分証明となる

 生体認証技術が成熟し、大規模応用段階に入る。

◆【8】自動運転が静かに発展期を迎える

 自動車のインテリジェント化といった技術革新については、究極の無人運転を実現するまでにはまだ長い時間が、かかりそうである。しかし、車道の共用技術については実用化レベルに達し、間もなく、無人運転時代が到来するだろう。今後2~3年以内に、固定化された路線を走る公共交通、無人配送、園内の循環輸送といった商用シーンにおいては、無人運転が商用化され、応用段階を迎えるだろう。

◆【9】ブロックチェーンに関して人々が理性的となり、商業化のための応用が加速する

 各産業においてデジタル化が進展する中で、モノのインターネット技術がチェーンの下の世界とチェーンの上のデータとの信頼性を支えている。国境を挟んだ資金のやり取り、電子手形や役所による各種証明書などのやり取りといった日常生活にもブロックチェーンは入り込み始めている。

◆【10】データ安全保護技術が急速に発展する

 ウォーターマーク(電子透かし)などのデジタル資産保護技術やハイレベルなアンチクローラー技術などが広範に応用され始めている。

 2017年、アリババはDAMO・アカデミー設立に際し、3年間で技術開発に1000億元(1兆5800億円相当、1元=15.8円)以上の資金を投入、世界中で2万人以上の科学者、エンジニアを動員すると発表している。その学術諮問委員会には、AIの権威であるカリフォルニア大学バークレー校のマイケル・I・ジョーダン氏、分散コンピューティングの権威であるプリンストン大学の李凱氏、ヒトゲノム計画の総責任者であるハーバード大学医学大学院のジョージ・M・チャーチ氏など、世界中から一流の人材が参加している。今回発表した内容は、世界中から集結した一流の研究者、エンジニアによって導き出されたものである。

 これらの10項目が、2019年内にどこまで実現するのか、注目していきたい。

文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。メルマガ「田代尚機のマスコミが伝えない中国経済、中国株」(https://foomii.com/00126/)、ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(http://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も展開中。

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