選挙敗北なら“死に体”となる安倍首相にとって、巻き返しの“最後の手段”が北朝鮮電撃訪問だろう。
タイミングは参院選後、11月に行なわれる新天皇による皇室行事「大嘗祭」までの間がチャンスになる。菅氏はその準備に追われるからだ。
もっとも、安倍首相が訪朝で何の成果も挙げられなければ即退陣となってしまう。『コリア・レポート』編集長・辺真一氏はこう話す。
「総理周辺が考える落としどころとは『政府認定の拉致被害者の正確な安否情報の開示に加え、そのうち1人か2人でも連れて戻る』ことでしょう」
政治ジャーナリストの野上忠興氏は「参院選で3分の2を失って憲法改正を断念せざるを得なくなれば安倍政権の歴史的使命は終わる。もし、何かレガシーを残すことができればそれが退陣の花道になるかもしれない」と推測する。
今秋の即位パレードや大嘗祭で新時代の幕開けの印象が強くなるなか、安倍長期政権の終わりが見えてくるかもしれない。
※週刊ポスト2019年1月11日号