国内

大学入試改革の旗振り役 慶應元塾長に利益相反疑惑を直撃

新試験には異論が噴出している(時事通信フォト)

 大学入試センター試験が1月19、20日の2日間にわたって行なわれた。現行入試は2019年度(2020年1月)の実施を最後に廃止され、代わって2020年度から「大学入学共通テスト」がスタートするが、とりわけ物議を醸しているのが「英語」だ。政府は「読む・聞く」だけだった現行入試に代えて民間資格・検定試験(民間試験)の活用を打ち出したが、東京大学が昨秋に事実上「不採用」を決めると、京都大学や名古屋大学などが追随した。

 現場から懸念が噴出しているにもかかわらず、進められている民間試験導入方針のウラに何があるのか。取材を進めるとより深刻な「利益相反」の懸念に突き当たった。

◆「100億円」市場の誕生

 民間試験導入について「公平公正なテストにならない」と指摘するのは、東大文学部の阿部公彦教授だ。

「受験生の居住地によって希望の試験会場は遠くなり、地理格差ができてしまいます。検定料にも幅があるため裕福な家庭の受験生ほど選択肢が広がって有利になりやすい」

 不利な受験生への補助がなければ公平さを欠くが、問題はそれだけではない。

「テストを出題する同じ業者が、その試験の対策本で利益を得ることになります。対策講座では“予想問題が的中”というのが売り文句になりますが、実際の試験情報の漏洩と紙一重の問題を出すこともありえる。こうした構造的な利益相反をチェックすることも難しい」(阿部教授)

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン