福田はその竹中の右腕として仕えてきた。二人は空港と水道のコンセッションを実現すべく、二人三脚で取り組んできたといえる。
たとえば2013年4月3日の「産業競争力会議」テーマ別会合では、竹中が次のように提案している。
「規制改革の突破口としての特区を今までと違う形で大幅に拡充したい。もう一つは、官業の民間開放としてのコンセッションを今までとは違うスケールで進めるという点。この2つが実現すれば、日本の経済にかなり違った景色をつくれるのではないか」
念を押すまでもなく、竹中の挙げた2点のうち、特区の見直しは加計学園問題で注目された「国家戦略特区」であり、もう一つが福田と進めるコンセッションだ。政府の関係者が打ち明けてくれた。
「竹中先生がこうした委員会で提案する際のバックデータとして資料作りを担ってきたのが、福田さんでした。それだけでなく、会議にも出てきて竹中先生をサポートする。その構図は未来投資会議においても同じでした」
実際、産業競争力会議関連の議事録を見ると、竹中と福田がコンビで登場する場面がやたらと目立つ。とりわけ2014年2月の「第2回産業競争力会議フォローアップ分科会」(立地競争力等)以降、毎回のように二人がそろって出席している。一例を挙げると、2015年4月13日に開かれた「第15回産業競争力会議」の実行実現点検会合にも、福田が民間の有識者として参加し、こうぶち上げている。
「(公共施設の)運営権の場合は(中略)民間に設定されるが、資産そのものは行政側に残る。行政側に残る資産は、当然何か大規模な災害などが発生した場合には復旧をしたりしないといけない。復旧をするときに交付税や補助金でその復旧財源を国から補填してもらう必要があると考えていくと(中略)公営企業を維持しなければ、交付税や補助金をもらうことが現状はできない」
そうして竹中や福田は、関空や仙台空港のコンセッションに取り組んできた。わけても関空では、新日本有限責任監査法人が政府のアドバイザー企業に選ばれ、そこに籍を置く福田は関空コンセッション検討チームのリーダーになる。関空の関係者が明かした。