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2019.01.29 11:20  たまGoo!

政府が子連れ出勤を推奨・・・しかし世間は反対の声が8割の現実

政府が子連れ出勤を推奨・・・しかし世間は反対の声が8割の現実


保育園の待機児童問題がなかなか解決しない中、政府は今月15日に「子連れ出勤」の後押しをすると表明しました。
2017年熊本市議会に赤ちゃん連れで議場入りした女性議員が、出席を認められなかったニュースはまだ記憶に新しいですよね。そのときも多くの議論がなされましたが、どうして今、政府は子連れ出勤を推奨するのでしょうか。

政府が「子連れ出勤」を推す理由

1月15日、宮腰光寛少子化対策担当相が、子連れ出勤を導入している授乳服メーカー「モーハウス」の視察に訪れました。そこで実際に子連れ出勤に触れ、「この取り組みをモデルとして全国に広めなくては」と考えたそうです。その考えに至った理由をみてみましょう。

子どもは母親と一緒にいるのが大事

宮腰担当相は視察を終えて「乳幼児は母親と一緒にいることが何よりも大事ではないか。子どもたちが幸せそう」と語っています。母親と過ごす子どもが幸せなのは当然です。しかし、保育園に通っている子どもたちだって幸せな子はたくさんいます。この発言には賛否両論ありそうですね。

すぐに取り組むことができる

保育園の新設や、保育士不足を解消するのはすぐにはできません。しかし、子連れ出勤なら企業の規模にかかわらず、すぐに取り組むことができると話しています。確かに施設を一から建設し人員を確保するよりは、子連れ出勤の環境を整える方が早そうです。

少子化対策

少子化の原因の一つとして、仕事をしながら子育てがしにくいという点があります。出産しても保育園にあきがない、子育て中はキャリアを積みにくい、などがあげられます。しかし子連れ出勤が可能になれば、子育て中でもキャリアを積むことができ、保育園の送迎時間を気にする必要がなく、保育園を探す手間もかかりません。子連れ出勤が当たり前になれば、出産を選択する女性が増えるのでしょうか。

世間は反対派が多数?

政府の推奨とは裏腹に、現在、子連れ出勤に反対する声はインターネット上でも多く聞かれます。では具体的にどういう理由で反対するのでしょうか。

反対派の声

反対派の声には以下のものが目立ちます。

保育園を拡充するのが先

仕事に支障が出る

子どもの環境によくない

職場の人たちに迷惑や負担がかかる

確かにどの意見も納得できます。さらに都心部に職場がある場合、電車通勤するだけで母親と赤ちゃんにとってはかなりのストレスがかかってしまうはずです。

環境を整える前に

子連れ出勤の環境を整える前に大切なのは、一緒に働く仲間に子連れ出勤を受け入れてもらえるかではないでしょうか。企業内の託児所に預けるのとは違い、子連れ出勤は母親が仕事をしながら育児もします。当然、仕事中に赤ちゃんが泣くこともあるでしょうし、他の人の助けが必要なときもあるでしょう。そんなとき、果たして誰しもがその状況を笑顔で見守ってくれるのでしょうか。保育園に子どもを預けて仕事に来ている人が、仕事中に他のお子さんを気にかけてくれるでしょうか。

これからの課題

反対の意見ももちろんこれからの課題ですが、他にもクリアにしていかなければならない問題があります。

子連れ出勤できる職種は限定されている

例えば人の命を預かる医師や看護師、教師、サービス業、移動の多い職種は子連れ出勤したくても、現状ではとても難しいでしょう。また保育士も、預かった子どもたちをみながら自身の子の育児もするのは注意散漫になり危険です。こう考えると、子連れ出勤できる職種というのは狭く限られたものになってしまいます。

何歳まで子連れ出勤するの?

子連れ出勤は主に赤ちゃんについて議論されていますが、一体何歳まで子連れ出勤可能なのでしょうか。
企業によってそれぞれ違うと思いますが、1歳、2歳で子連れ出勤した場合、当然じっとしていることは難しいですし、静かにもしていられませんよね。それを子どもに強いるのもかわいそうです。3歳前後になると外遊びやお散歩が必要になります。そうなると必然的に、働く人全員で育児に協力する形になります。果たして全員から理解を得られるのでしょうか。

父親は子連れ出勤しないの

政府の「乳幼児は母親といることが大事」という発言は、子連れ出勤は母親の選択肢という前提で考えているのでしょうか。しかし、子連れ出勤はもちろん父親でも可能です。母親に社会復帰を推奨するのなら、同じように父親にも子連れ出勤をうながすべきではないでしょうか。

企業の負担が大きくなる

企業内に託児所を作るのとは大きく違い、働いているスペースを育児可能な場所に変えなければいけません。そのためにはお昼寝するスペースや、授乳スペース、おもちゃで遊ぶスペースなどの確保が必要です。それらを確保するための負担と、子連れ出勤をして仕事を進めるメリットと、どちらが大きいか考えてしまう企業もあるでしょう。

育児は大変

赤ちゃんは寝ている時間も多いですが、お世話にかかる時間も多いです。それを仕事の片手間にこなせるのでしょうか。赤ちゃんのお世話で逆に集中して仕事ができないこともあると思います。子連れ出勤している人と、そうじゃない人、仕事内容は同じでも実際にできる仕事量には違いも出るでしょう。それなのに給料が同じという場合は反感を買いそうです。

実際、子連れ出勤を推奨している会社では

今回、宮腰大臣が実際に視察した「モーハウス」では、従業員42人のうち12人が子連れ出勤を実践しています。約1/3の社員の方が子連れ出勤を選べる環境とは、すごいですよね。

子連れ出勤にはこんな意義がある

モーハウスの代表取締役 光畑由佳さんは、自身が代表を務める「子連れスタイル推進協会」のホームページで、子連れ出勤にはたくさんの意義があるとおっしゃっています。

●会社にとっては、
 ・働き方の多様性が広がることで、募集しやすい
 ・育休中、他のスタッフへの負担の軽減
 ・育休後の復帰率が高い
 (復帰後のイメージつきやすい、休み中の情報キャッチアップ)

●子連れスタッフにとっては、
 ・社会の中での子育てに慣れることができる
 ・産後の孤立を防ぎ、自己肯定感を取り戻せる
 ・子育てへの不安がなくなる 

●子どもにとっては
 ・親の仕事への共感
 ・社会性を育む(人に慣れ、人の力を借りやすい子になる)
 ・ダイバーシティの育み(同年代でない人ともコミュニケーションが取れる

引用:特定非営利活動法人 子連れスタイル推進協会

しかし、危険を伴う仕事、集中力を要する仕事に子連れ出勤は向かないとも書いてあります。現在でも試行錯誤を繰り返しながら、子連れ出勤の推進に力を入れているようです。

子連れで働くママたちの声

モーハウスで働いている、ママたちの子連れ出勤の感想として、

「働いているスタッフもママたちが多いので協力できる」
「一緒に子育てしているので、一人じゃないという気持ちになる」
「赤ちゃんとママの行動が商品開発のヒントになる」

などの声がありました。
企業や働く人が一体となって子連れ出勤を理解していれば、赤ちゃんにとってもママにとっても便利でうれしい制度なようです。

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