投資

【ドル円週間見通し】利上げ停止観測も欧州不安で下げ渋りか

目先のドル買い・欧州通貨売りは継続か

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が2月11日~2月15日のドル・円相場の見通しを解説する。

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 今週のドル・円は下げ渋りか。米連邦準備制度理事会(FRB)は、1月29-30日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)でややハト派寄りの見解を示し、利上げ停止観測が浮上した。しかしながら、欧州経済の減速や英国の合意なき欧州連合(EU)離脱への警戒感も高まっており、目先的に安全逃避のドル買い・欧州通貨売りは継続する可能性がある。

 1日に発表された米国の雇用統計で、半世紀ぶりの低水準で推移していた失業率が上昇し、雇用情勢改善はピークを越えつつあるとの見方が広がる。また、製造業関連の経済指標も低調な内容が目立ち、1月消費者物価指数や12月小売売上高などの主要指標が予想を下回った場合、市場はFRBの利上げ休止をより強く意識してドル売りが強まりやすい。

 ただ、欧州経済の減速を警戒してユーロ売り・ドル買いが継続する可能性があることは無視できない。経済指標でドイツやユーロ圏の成長鈍化が示された場合、ユーロ売りが先行する見通し。また、14日に英国議会で政府のEU離脱に関する修正案の採決が予定されているが、否決された場合、合意なきEU離脱の可能性が高まるため、ポンド売り・米ドル買いが強まりそうだ。この影響でドル・円の取引でもドルが消去法的に買われる可能性があり、ドルは底堅い値動きとなりそうだ。

 壁建設をめぐるトランプ政権の議会運営が度々批判されており、与野党協議が難航して再び政府機関が閉鎖されるリスクは除去されていないが、政府機関の再閉鎖を警戒したリスク回避的なドル売りがただちに拡大する可能性は低いとみられる。

【米・1月消費者物価指数(CPI)】(13日発表予定)
 13日発表の1月消費者物価指数(CPI)は、前年比+1.9%、コア指数は同比+2.1%と予想されている。コアCPIが市場予想を下回った場合、成長鈍化を意識して利上げ停止観測は一段と広がり、ドル売りを誘発しそうだ。

【米・12月小売売上高】(14日発表予定)
 政府機関閉鎖の影響で発表が遅れていた12月小売売上高は、前月比+0.1%と予想されている。伸び率は11月実績をやや下回る可能性があるが、小幅な増加でもドルにとっては好材料になるとの見方が多い。

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