「薬物で逮捕されたミュージシャンのCDが回収されるということはありますが、映画のDVDなどについては出演者が逮捕されても特に対応しないというケースも多いですね。騒動の影響の大きさにもよるとは思いますが、市場に出回っている商品の回収までするとなると、メーカー側の負担が大きすぎるのでしょうね。
回収にかかった費用などを不祥事を起こした張本人側に賠償請求することも可能ですが、実際にその費用を支払わせるにはハードルが高い。過去作品については世間の注目度も低いし、“回収まではしない”というのが現実的な判断なのだと思います」
また、撮影前の作品や撮影中の作品については、代役を立てるケースが目立つ。
たとえば、映画『青の帰り道』は、主要キャストの1人だった高畑裕太が撮影中に滞在していたホテルで強姦致傷容疑で逮捕(不起訴)され、降板。約1年後に戸塚純貴が代役となり再撮影され、その後公開された。
小出恵介が『FRIDAY』に未成年者との飲酒と不適切な関係が報じられた際は、出演予定だったNetflixのドラマ『Jimmy~アホみたいなホンマの話~』や映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』などを降板。いずれも代役が立てられ撮影された。
「代役を立てる場合、撮影スケジュールを組み直すことも多く、他の出演者にも多大な迷惑がかかります。その一方で、騒動で話題になって宣伝につながるなんていう見方もあるようですが、スタッフや出演者にしてみれば、本当に大変なだけだと思いますよ」
作品を封印するかどうかは議論が分かれるところではあるが、いずれにしろ不祥事によって各方面が迷惑を被ることは間違いない。本人の将来も台無しになる。不祥事の代償はあまりにも大きいのだ。