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相続手続き負担軽減のための「法定相続情報証明制度」 その利点は?

相続手続きの負担を軽減させるための新制度とは

相続手続きの負担を軽減させるための新制度とは

 親が亡くなって遺言が存在しない場合は「遺産分割協議書の作成」を進めることになる。これはいったいどういうものなのか。ゆい会計事務所の西津陵史・代表税理士が解説する。

「遺産分割協議とは、相続人全員で遺産の分け方を決める話し合いのことです。相続人のうち1人でも参加していなければ、無効となります。作成する上でのポイントは、“誰が・何の財産を・どういう形で”相続するかを明確に書くこと。それに相続人全員が実印で押印し、印鑑証明を添付します」

 一連の相続手続きにおいては、戸籍謄本などが必要となることが多い。これまでは手続き先・届け出先の窓口ごとに、その都度、取得・提出する必要があった。そうした負担の軽減のために2017年5月からスタートした制度が、「法定相続情報証明制度」だ。法務局に「認証文つき法定相続情報一覧図の写しの交付」を申請して利用する。円満相続税理士法人の橘慶太代表が解説する。

「ひと言でいえば、法律上の相続人に関する情報を1通にまとめる、というもの。戸籍関係の各種書類を揃えて『法定相続情報一覧図』を作成し法務局に申出を行なうと、法務局の確認を経て認証文が付いた法定相続情報一覧図の写しが交付されます。この写しだけで、いちいち戸籍関係の書類一式を揃えることなしに、相続手続きを行なうことができるようになります」

 遺産分割協議がまとまった後、銀行や証券会社などに「預貯金・有価証券の相続届」を、法務局に「不動産の相続登記」を行なうといった手続きの際に活用できる。相続税の納付がある場合は、これらをできる限り納付期限(10か月)までに済ませておきたい。

※週刊ポスト2019年2月8日号

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