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2019.02.13 07:00  マネーポストWEB

「年金は65歳から」という思い込みの罠、「特別支給」のもらい忘れは多い

「65歳より前に年金を受け取れるか」はココを確認


 どんどん長くなる老後を不自由なく過ごしていくために、家計の柱となるのが「年金」だ。ところが、どれだけ真面目に保険料を納めていても、ちょっとした見逃しや不注意で、本来、もらえるはずの年金を受け取れなくなる。その落とし穴にはまっている人は思いのほか多い。

「特別支給の老齢厚生年金(1961年4月1日より前に生まれた人が対象)」は年金支給開始年齢の65歳になる前にもらえることから、「得する年金」と呼ばれる。

 しかし、60歳からの年金支給が段階的に65歳まで引き上げられてきたのだから、激変の緩和措置である特別支給の制度は国民にとって“もらわないと損する年金”といった方が正確だ。

 この特別支給をもらい損ねている人は意外と多い。原因は“うっかり”ではない。“年金博士”こと社会保険労務士の北村庄吾氏が指摘する。

「特別支給は生年月日によって受給開始年齢が違います。その年齢に達する3か月前に該当者には日本年金機構から『年金の請求手続きのご案内』と『年金請求書』が送られます。

 ところが、“年金は65歳から”と思い込まされているから、早くもらうと年金額が減らされる『繰り上げ受給』の申込書と混同して請求しない人が多い。特別支給をもらっても65歳からの年金額は変わらないのだから、受給しなければ大きな損失です」

 年金制度は国民から請求手続きをしない限り、国の方から自発的に支払ってくれることは絶対にない。では、受給漏れを防ぐにはどうすればいいか。

 これから年金受給を迎える57歳以上の世代が特別支給をもらえる最後の世代だ。毎年届く「ねんきん定期便」をよく見てほしい。

 50代に送られるねんきん定期便には、「老齢年金の種類と見込額」の欄がある。特別支給の受給開始年齢と受給額の記載があれば、その年齢から65歳になるまで受け取れる(図参照)。

 すでに65歳以上で“そんな年金もらった覚えがない”という人も諦めてはいけない。年金の時効は5年のため、現在69歳の人は1年分、68歳なら2年分など、請求手続きをすれば時効になっていない分の特別支給は取り戻せる。社会保険労務士の蒲島竜也氏によると、「一括で支払われるので、数百万円が取り戻せたケースもある」という。社会保険労務士の拝野洋子氏が続ける。

「受給漏れがないかを調べるには身分証を持って年金事務所で調べてもらうのが一番早い。時効によって、もらえるはずだった年金がどんどん消え去っていくので、未請求の疑いがある場合には急いで確認することをお勧めします」

※週刊ポスト2019年2月15・22日号

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