コラム
2019.02.16 17:17 ZAKZAK
『カドカワの乱』舞台裏 ドワンゴ出身“天才”川上氏に「見切り」か
『カドカワの乱』舞台裏 ドワンゴ出身“天才”川上氏に「見切り」か
出版・IT大手のカドカワは、ドワンゴ出身の川上量生(のぶお)社長(50)を取締役に降格させ、角川書店出身の松原真樹専務(65)が新社長に就く人事を発表した。グループも再編され、ドワンゴが孫会社に“格下げ”されるなど「角川色」が大幅に強まる。「カドカワの乱」の背景に何があるのか。
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書籍や映画、アニメなどを手掛けるKADOKAWAと、「ニコニコ動画」で知られるドワンゴが経営統合したのは2014年。持ち株会社の会長、のちに社長を務めてきたのがドワンゴ創業者の川上氏で、統合当時、角川歴彦(つぐひこ)会長(75)は「天才、川上くん」と持ち上げ、「川上くんという若き経営者をようやく手にした」と経営手腕に絶大な信頼を寄せていた。
川上氏の経営手腕について、ITジャーナリストの三上洋氏は「バリバリのIT経営者というよりは自分の好きなことを生かしてビジネス展開をするタイプ」と分析する。
ところがカドカワは今月13日、19年3月期の連結最終損益見通しを従来予想の54億円の黒字から43億円の赤字に下方修正。ドワンゴのスマートフォン向けゲーム「テクテクテクテク」やウェブサービスの不振が業績悪化の原因とした。
前出の三上氏は「『テクテクテクテク』はユーザーの評価は高いが、課金システムが不十分で収益が増えなかった。ドワンゴの屋台骨であるニコニコ動画も以前から画質や回線に批判があり、改善は進んだが、収益を生み出すまでには至らなかった」と指摘する。
衝撃的だったのは人事とグループ再編だった。川上氏は持ち株会社であるカドカワの代表権のない取締役に降格。グループ経営については、KADOKAWAやドワンゴなどの事業子会社が同格でぶら下がる形から、KADOKAWAがドワンゴなどの事業会社を“孫会社”として従える形に変更される。
雑誌『経済界』編集局長の関慎夫氏は、「会長の歴彦氏が、いち早くITと出版の融合を唱えたが、川上氏は紙媒体で思ったような結果を出せなかった。会長が見切りをつけた事実上の更迭との見方もできる。後継者を見つけたが、気に入らなくて代えるというのは、オーナー家ではよくある構図だ」と解説する。
角川書店では1992年、社長だった兄の春樹氏(77)が『ザ・テレビジョン』や『東京ウォーカー』をヒットさせていた副社長の歴彦氏を解任。経営路線の違いが原因だったとされる。しかし、93年に春樹氏が麻薬取締法違反などで逮捕されると、歴彦氏は社長として復帰した。
川上氏にも「復活の日」は来るか。
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