国際情報

米朝首脳会談で日本は「核軍拡競争の暴風圏」に放り込まれる

米朝会談は2月27日から(AFP=時事)

 ドナルド・トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長の2度目の米朝首脳会談が2月27日からベトナム・ハノイで行なわれることが決まった。この会談が日本の安全保障に大きな影響をもたらすと指摘するのは、元NHKの外交ジャーナリストの手嶋龍一氏だ。

 * * *
 米朝首脳会談で米朝関係がなし崩しに前進すると、その先には朝鮮戦争の終戦協定がある。ハノイ会談でこれに踏み込む懸念があります。北朝鮮は終戦を強く望んでいる。終戦協定を結べば、アメリカから先制攻撃を受けるリスクがぐんと少なくなるからです。

 米朝の融和や朝鮮戦争の終結を韓国も望んでいます。今の(韓国の)文在寅政権は民族統一を掲げて北に傾いています。

 1989年にベルリンの壁が崩壊し、冷戦は終結した。だが、それはあくまで欧州の情勢であり、北東アジアではまだ「冷戦構造」は残っているのです。その北東アジアでのベルリンの壁に相当するのが38度線です。西側陣営と東側陣営の分断の象徴“38度線の壁”は、現時点ではぐんと低くなりました。

 韓国の「力ベクトル」が北朝鮮に向かっている分、日本には遠心力が働き、日韓関係はひどく悪化しているのが実情です。昨年の徴用工の問題、レーダー照射問題、さらにここへきて韓国国会議長の発言(米通信社のインタビューで、「天皇が元慰安婦に直接謝罪すれば慰安婦問題は解決できる」と述べたこと)で日韓の溝は広がっています。

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン