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2019.02.20 08:31  産経Biz

ゾゾが初の減益へ PB大誤算、揺らぐ足元 アパレル各社離反も痛手

ゾゾが初の減益へ PB大誤算、揺らぐ足元 アパレル各社離反も痛手


 インターネット衣料品通販大手ZOZO(ゾゾ)が1998年の会社設立以来初の減益となる。採寸用ボディースーツ「ゾゾスーツ」を活用したプライベートブランド(PB)事業でつまずき、大誤算の急ブレーキとなったのだ。ツイッターで「必ず挽回します」と表明した前沢友作社長だが、主力のネット通販サイト「ゾゾタウン」では出店を取りやめる“ゾゾ離れ”が顕在化。時代の寵児(ちょうじ)の足元は決して盤石ではない。

125億円の事業赤字

 東京都内で1月31日に開かれた決算説明会。いつものようにカジュアルな服装で現れた前沢氏は、2019年3月期の連結業績予想の大幅な下方修正を淡々と発表した。

 売上高は前期比19.9%増の1180億円(従来予想は1470億円)と増収を確保するが、本業のもうけを示す営業利益は18.9%減の265億円(同400億円)、最終利益は11.7%減の178億円(同280億円)と、いずれも増益予想から減益予想への下方修正を迫られた。伸び悩みは想定以上で、前沢氏も「情けなく、申し訳ない」と頭を下げざるをえなかった。

 最大の理由は鳴り物入りで始めたPB事業の不振だ。顧客がゾゾスーツを着込んだ上でスマートフォンで撮影すると採寸でき、試着しなくてもぴったりの衣服を注文できるというものだ。「前沢氏自身、小柄な体形に悩まされた経験から、既製品ではなく一人一人に合った衣料品を提供したいと考えた」(ゾゾ広報)というのがそもそもの動機だ。

 社長肝煎りプロジェクトである上に、水玉模様の奇抜なデザインと無料配布という施策もあって注目を浴び、ネットを中心に話題が拡散。当初の売上高目標は200億円と見込んでいた。

 ところが注目度の高さの割には服を購入する人が少なく、思惑は完全に外れた形となり、ゾゾは売上高予想を一気に30億円にまで引き下げた。前沢氏は「(販売増への波及)効果が薄かった。赤字額は125億円に上る」と“敗北宣言”するとともに、改善した上で継続する方針を示すしかなかった。

安売りに猛反発

 ゾゾにとってこれが1つ目の誤算とすれば、2つ目の誤算がゾゾタウンの相次ぐ出品停止という「ゾゾ離れ」だ。

 発端は、ゾゾが昨年末、開始した有料会員向け割引サービス「ZOZOARIGATO」だ。消費税別で年間3000円か月間500円を払うと購入額の10%を割引する。新規顧客を獲得する目的で始めたが、安売りを嫌うアパレル各社が猛反発。大手オンワードホールディングスや、子供服ブランド「ミキハウス」を展開する三起商行、カジュアル衣料品のライトオンなどが相次ぎ出品停止に踏み切る異例の事態となったのだ。出品停止は1月末時点で実に42店に上る。

 だが前沢氏は、総出店数1255店(1社で複数出店の場合もある)の3%程度にとどまるため「(取りやめの)影響は軽微だ」と断言。ゾゾタウンの年間購入者数約800万人という圧倒的な集客力を背景に、出店を魅力と考える企業の方が多数派とみて強気の姿勢を崩さない。

 一方、前沢氏は「大手ショッピングモールでも(クレジット)カード会員への割引サービスがある」と理解を求めており、割引サービスは当面続行する方針だ。このためゾゾと反旗を翻したアパレル各社の溝は当面埋まりそうにないとみられている。

 今後、こうしたゾゾ離れの動きが火種としてくすぶり続ければ、ゾゾの中核であるサイト運営にも支障を来しかねず、経営リスクとして関係者が注目している。(柳原一哉)

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