国際情報

ソウル 日本製品不買条例案に日本好き韓国人「恥ずかしい」

日本製品不買運動は文政権の政策が影響か(EPA=時事)

 韓国・ソウル市議会に提出され審議中の「日本製品不買」条例案が、波紋を広げている。条例案は韓国市民の反日感情をさらに煽り、日本製品不買運動へと広がりを見せているというのだ。韓国在住ジャーナリストの藤原修平氏がリポートする。

 * * *
 かつて在韓の日本企業で勤務したことのある50代半ばの会社役員男性Aさんは、全国各地に広がった「日本製品不買運動」についてこう不安の声を漏らした。

「韓国人の日本に対するネガティブなイメージが強い理由として、植民地支配の歴史があるのはわかる。それでも、最近の日本製品不買運動は異常だ。日本企業に賠償を命じた徴用工判決に便乗した反日行為とも言え、この有様では日本企業が韓国からどんどん離れていってしまうのではないか」

 不買運動の直接の契機は、今年1月24日にソウル市議の洪聖龍(ホン・ソンリョン)氏が市議会に発議した「日本製品不買条例」である。洪議員は2016年12月から、ソウル市の公共機関で日本製品がどれくらい使われているかの調査を促してきた。

 洪議員の提起を受けたソウル市が3年近くにわたり市内の関連施設での日本製品の購買状況を調査した結果、庁舎などでは6000件、小中学校では4000件の日本製品が購入されていたことが明らかになった。これを受け洪議員は、「慰安婦のハルモニ(お婆さん)のことや、徴用で命を落とした私たちの先祖のことを思うと、国民の税金で購入するものについては、最小限度の制限を定めてしかるべきだ」と述べた。

 だが、洪議員の思いとは裏腹に、「日本製品不買条例」はソウル市民に不評のようだ。

 ソウル市に住む30代半ばの女性会社員Bさんは、「日本に対する感情は複雑」と前置きをしつつも、洪議員の条例案を「一言で言って恥ずかしい政策」と切って捨てる。Bさん自身、1年に2回以上は日本を訪れてショッピングを満喫するほどの「日本製品好き」で、「特に日本製の服は長持ちするし、デザインもかわいい」ので好んで購入するという。

 Bさんの日本製品好きはファッションに留まらない。旅行で訪れる各地方の土産品についても、「クオリティーが高いだけでなく、パッケージもハイセンス」で、「韓国のものは比較にならない」と評価している。

「より高品質のものを選ぶのは、消費者として当然の心理です。ソウル市もそうした視線を持っていれば、今さら日本製品を排除しようなど思いもつかないはず。今回議論されている条例案は、時計の針を日本文化を禁止していた20年以上前に戻すようなもの」(Bさん)

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
日本テレビの杉野真実アナウンサー(本人のインスタグラムより)
【凄いリップサービス】森喜朗元総理が日テレ人気女子アナの結婚披露宴で大放言「ずいぶん政治家も紹介した」
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン