中国広東省白雲中級人民法院(日本の地方裁判所に相当)は10歳の息子がもらったお年玉の銀行預金を息子に無断で引き出したとして、その父親に対して、全額返済するよう命令する判決を言い渡した。息子は昨年12月、父親を訴える訴訟を起こしていた。
ここ数年、中国では子供のお年玉を無断で引き出した親が訴えられるケースが増えており、ネット上では親権と子供の所有権の関係について論争になっている。
この息子は2015年2月の春節(旧正月)の際、親戚などからもらった紅宝(ホンパオ=日本のお年玉)計3000元(約5万1000円)を、ある銀行の「子ども口座」に預金。母親が銀行口座の「保護管理権」を適用したことに夫が反発し、保護管理権が有効になる翌年4月の1カ月前である3月に、利子の45元も含めた3045元全額を引き下ろしてしまったという。
息子は母親の忠告に従って、父親が預金を直ちに返すように訴訟を起こした。結果、裁判所が父親に返還命令を下したが、父親は「私が預金を引き出す際、息子に『必ず返す』と約束していたので、息子が訴訟を起こすとは思わなかった。これは母親の入れ知恵だと思う」と主張している。
今回の訴訟について、ネット上では「この父親は、親として模範となるべき行動をとるべきだった。子供とはいえ、彼の許可なく、だれもその所有物を奪いとる権利はない」と父親を批判する声が出ている。